THE INTERSCHOOL JOURNAL(ジ・インタースクール・ジャーナル)

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磯田@都議会前
写真=都議会議事堂に向かう新宿山吹高校自治委員会議長兼会長・東京都新宿区(撮影・提供=随行者)

 東京都立新宿山吹高校で続いている高校紛争が新たな局面を迎えた。新宿山吹高校自治委員会議長兼会長の生徒が7日夜に東京都議会議事堂(=東京都新宿区)で都議会議員と会談したことがわかった。会談は自治委員会議長兼会長の生徒と随行者1名、都議会議員1名と都議会会派事務局職員1名の合計4名で1時間半程度行われ、最近の新宿山吹高校の情勢や学校側の自治委員会に対する対応などについて意見を交換した模様だ。

 随行筋によると、会談冒頭で自治委員会側から都議に対し、学校側が自治委員会の要求書を受取拒否して返送したり、校内での生徒相談窓口業務を妨害している旨の説明がなされたという。自治委員会側はこれまでの経緯も改めて説明した上で、関連資料を都議側に提供した模様だ。自治委員会側の説明を受け、都議側は問題解決のための「何らかの提案」を行った模様だ。随行筋は「何らかの提案」の詳細は語らなかったものの、会談について「非常に有意義な会談だったと思う。」と評価した。

「全面戦争」宣言から一転「都議会談」で事態打開か
 新宿山吹高校自治委員会は今月2日未明、同委員会の公式Youtubeチャンネルに「緊急演説」と題した動画を公開し、学校側が団体交渉を拒絶したことを理由に「全面戦争」を宣言していたが、急転直下で行われた都議との会談で事態が打開される可能性が出てきた。新宿山吹高校自治委員会と学校側の紛争は既に2年目を迎えており、複数のメディア(本紙、日刊ゲンダイレイバーネット日本)によって報道されているほか、様々なメディアが関心を持っている。社会が注目する中、学校側がどのような対応をとるのか。学校の次の一手に注目していきたい。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)

都庁第一本庁舎02 夕焼け Miyuki Hiramatsu
資料写真・東京都教育委員会が入る都庁第一本庁舎(撮影=Miyuki Hiramatsu)

 東京オリンピックが近づく中、昨年12月、ある都立高校で担任教諭が自らのクラスの生徒にボランティア応募用紙を配布した際、「全員書いて出して」と応募を強制するような発言をしていたことがわかった。昨年12月19日に都立高校生徒がTwitter上でボランティアの応募用紙の写真とともに告発したことで明らかになった。

都教委、事実関係を認める
 都立高校を管理する東京都教育委員会(都教委)指導企画課の北村弥生課長代理は、本紙の取材に対し、「教員がクラスのHRで申込み後に辞退できる旨を伝えつつも、『全員出して』という発言をした」と説明した。この都立高校では都教委が用意した生徒への案内文例に基づいて教員への周知・説明をしたものの、このように「熱意のある」教員からボランティア応募を強制するような発言が出てしまったという。

 そのうえで北村課長代理は「(生徒がSNS上で告発したことを受けて)都教委指導部と当該都立高校校長の間で協議し、ボランティア応募を強制する発言があったクラスについては学校側がもう一度説明機会を作り、参加は自由であり辞退できる旨を伝えた」と説明した。

小池東京都知事も記者会見で言及
 東京都ホームページに掲載されている小池百合子・東京都知事の定例記者会見録によると、小池百合子・東京都知事は昨年12月21日の定例記者会見でTBSの記者からの都市ボランティア応募強制問題に関する質問に対し、「申込みは生徒の自由意思で行われるものでありますし、東京都教育委員会の方からは、ボランティアへの参加を強制するようなことはしていないと聞いております。受け止め方がそう思われたということは残念」と答えていた。

 また小池知事は、都立高校から生徒への呼びかけについて高校が自主的に行っているものなのか、都側が都立高校に要請しているものなのかというTBS記者の質問に対し、「都立の関係の諸機関については、都から都市ボランティアということで呼び掛けをしております。高校だけではございません。」と回答した。この小池知事の発言からは都側が組織的に都立高校など都立の諸機関に対して都市ボランティアの応募呼びかけをしていたことがうかがい知れる。

オリパラ局が応募用紙の各都立学校への送付を要請
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写真・本紙が入手した都教委の公文書(加工=本紙編集局)

 本紙はこれを裏付けるような公文書を入手した。東京都教育委員会がオリンピック・パラリンピック教育推進担当課長名で発出した文書「東京2020大会都市ボランティアの応募期間の延長に伴う再募集について(通知)」(昨年11月26日付)では、校長に対し「対象となる生徒への周知と案内等について、お取り計らい」を求めているほか、裏面には東京都オリンピック・パラリンピック準備局が各都立学校に対して都市ボランティア応募用紙を対象となる全生徒人数分を送付する旨の記載がされている。このほか同文書は「生徒の申込みの簡略化」を目的に都市ボランティア応募用紙の取りまとめを学校で行うよう要請している。

 この文書について都教委指導企画課・北村弥生課長代理は都教委が発出したものと認めた上で、オリンピック・パラリンピック準備局が都立高校に都市ボランティア応募用紙を直接送付した経緯として、オリンピック・パラリンピック準備局から都教委の方に各都立高校・中等教育学校・特別支援学校高等部に対して高校2年生以上の全生徒の人数分の応募用紙約10万枚を直接送付したい旨の連絡があり、都教委がこれを了解して実施に至った、と話している。

 このほか北村課長代理は応募用紙の取りまとめについて、生徒が学校に提出した応募用紙を学校が取りまとめて都教委に提出し、最終的に都教委からオリンピック・パラリンピック準備局に送付するやり方を取ったと説明した。

 また、学校が応募用紙を取りまとめることが組織的に生徒を動員することにつながるのではないかとの記者の質問に対し、北村課長代理は「説明に際しては『希望がある、関心がある生徒に(参加を呼びかける)』という案内をしていて、もちろん動員とか強制という前提ではない」と否定的な見解を示し、文書の通り生徒の申し込みを簡略化させる目的であると強調した。

都教委 大会ボランティアへの生徒参加も検討か
 また、都教委が都市ボランティアだけではなく、大会ボランティアへの生徒の参加についても検討を進めていることが、都教委の公文書「東京2020大会都市ボランティアの応募期間の延長に伴う再募集について(通知)」(昨年11月26日付)で明らかになった。同文書では、「東京2020大会開催年度に、中学校及び高等学校(に相当する学校)に在籍する生徒については、大会関連ボランティアを体験できるように、別途検討中です。」としており、都教委は大会関連ボランティアへの生徒の参加についても検討している模様だ。東京都の公立中高生の「ボランティア」参加プランは当事者である中高生の知らないところで計画されているようだ。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)

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青山パワポ
(画像=Twitterより)

 昨年10月16日、「期間中の青山高校の対応」と題された東京都立青山高校の内部資料と思われるパワーポイント資料がTwitter上に投稿された。この資料にはパラリンピック期間中の平常授業や文化祭、振替休業などのスケジュールが記されているほか、9月1・2日の文化祭「外苑祭」の振替休業日に「任意参加のボランティア」を、9月5日(土)の土曜授業で「学校行事としてのボランティア」を実施する旨が記載されている。

 この資料について東京都立青山高校の小澤哲郎校長は「全く同じかどうか断言はできないが、自分が作った資料とおそらく同一だと思う。」とコメントした上で、教員及びPTA向けに作成したものだと説明した。小澤校長によると、資料は「東京オリンピック期間中に通常の学校の教育活動ができない」ため、青山高校としてオリパラ期間中にどのように対応していくかを保護者に説明し、安心してもらう目的で作成したもので、ボランティア教育について説明する趣旨ではないという。

「任意参加のボランティア」という謎の表現
 ボランティア教育についての趣旨ではないとは言え、資料中に「任意参加のボランティア」「学校行事としてのボランティア」という2種類の「ボランティア」が記載されているのは疑念を抱かざるを得ない。本来、ボランティアは任意なのは当然であり、わざわざ「任意参加の」という文言を付け加える事自体がそもそもおかしいからだ。しかし資料中の記述では「任意参加の」「学校行事としての」という2種類の「ボランティア」が明確に区別されている。

 この点について小澤校長はこの2種類のボランティアの区分けが「ボランティアの本来の語意からすると確かに的確ではなかったと思う」と話した上で、それぞれ次のように用語の意図などを説明した。

・「任意参加のボランティア」…一生涯に一度あるかないかの東京オリンピック・パラリンピックでのボランティアに参加したい生徒に対し、自由に参加できる機会を提供していくもの。

・「学校行事としてのボランティア」…「ボランティア」という名称を使っているものの、ボランティアを実施するかどうかも決めていない。学校としては校外学習として試合を観戦したりする等の行事として検討を進めている。(現時点では未確定)

 また、小澤校長は、青山高校の全生徒をボランティアとして動員することは900人近い生徒数から言って実現不可能だとして、「学校行事としてのボランティア」での生徒動員に否定的な見解を示した。

追記(2019年2月17日):2018年10月17日付で都立青山高校から公式発表された保護者宛の文書では、東京都教育委員会から都立青山高校側が生徒のオリンピック観戦と高校生ボランティアへの参加が求められている旨の記載があった。オリンピックの試合観戦チケットを配布する方針であることや、ボランティアについては都教委の方針が決まり次第周知する旨の記載があった。

試合観戦も含めて生徒の自由意思を尊重すべき
 今回、青山高校の小澤校長は「学校行事としてのボランティア」の内容として試合の観戦などの校外学習を検討していると言っているが、あくまで試合観戦も含めてオリンピック・パラリンピックに学校行事だからといって生徒が動員されるのは好ましくない。東京都教育委員会は試合観戦や五輪ボランティアへの参加を検討しているようだが、このようなことを組織的に行っていくというのは非常にナンセンスな試みだと思う。試合観戦の「ボランティア」にしろ、大会ボランティアへの参加にしろ、あくまで生徒個人の自由意思で判断させるべきだ。都教委や学校が勝手に学校行事の名の下強制することはあってはならない。

 そもそも、都立青山高校でこのような内部資料がTwitterに流出した背景には「オリパラ教育」「ボランティア教育」に対する高校生たちの反感があるのではないか。実際、「ボランティア強制」に反対する都立高校生は水面下でSNSや本紙のようなメディアに情報提供するなどして告発している。

 あくまでボランティアは自主的・自発的に本人の自由意思で行われるものだ。強制があってはならない。教員はこの点に十分留意して「ボランティア」という言葉を使うべきだ。
 
(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)


 YAMABUKI JOURNALの報道によると、新宿山吹高校自治委員会が東京都立新宿山吹高等学校側に対し、要求書を送付していた可能性があることが24日、わかった。梶山隆・校長は本紙の取材に対し、全て「答えません」の一点張りで、要求書が提出されたことや、今後の自治委員会への対応も含め一切回答しなかった。

 新宿山吹高校自治委員会は、自らのホームページの中で要求書全文を公開し、昨年5月に行われた自治委員会と学校長の団体交渉時に自治委員会が要求した事項を改めて要求したほか、新たに5か条の要求を行ったことを明らかにしている。新宿山吹高校自治委員会は要求書への回答期限を1月30日17時10分と発表している。

要求書では5項目を要求
 新宿山吹高校自治委員会が公開した要求書は5項目で構成されており、「建設的な和平交渉・和平協定の締結」、「校内における言論・表現・集会・結社の自由の保障」、「学校の民主的運営制度を確立すること」、「入試における内申点と当日試験の比率を20:3に戻すこと」や「全日化政策の即時中止」が示されている。

 この中で特筆すべきことは要求書第3項目の学校の民主的運営制度の確立要求だ。自治委員会は要求書の中で具体的な民主的な学校運営制度として、学校代表・教職員代表・生徒代表・保護者代表の四者が学校運営を担う「全校運営委員会」の設立、「職員会議での自由な発言・意見・採決の全面容認」、「企画調整会議・学校運営協議会の廃止」、「主幹教諭の校内制度上の廃止」の5項目を要求している。

学校側は要求書を受取拒否? 学校側と自治委員会の対立激化必至か
 本紙の取材に対し、自治委員会議長兼会長の生徒は梶山校長が要求書の受け取りを二度にわたり拒否したと明かした上で、「学校当局はこの紛争を平和裏に解決する道を放棄した。これは我々に対する宣戦布告であり、激しい怒りに震えている。いかなる手段も辞さない考えだ。」と述べており、学校側と自治委員会の対立激化は必至の情勢となってきている。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)

 恐れていたことが遂に起こってしまった。先月21日、都立高校で担任教諭が生徒に対して東京都の都市ボランティアに応募するよう強制するような発言をしていたことが各メディアで一斉に報じられた。教諭は自らの担任するクラスで「全員出して」とボランティアの応募用紙を生徒に配布。その生徒がSNS上で告発したことで発覚した。

 NHKの記事によると、都教委は教諭の発言を「誤解を招く発言があった」として、「ボランティアへの参加の強制はしておらず、あくまでも自主的なものだ」と慌てて火消しに走っているが、全く信用できない発言だ。なぜならこれまで都教委は「奉仕」、その後継の「人間と社会」という教科を必修化して都立高校生徒に「ボランティア」を事実上強制してきたからだ。

 本来、ボランティアとは「志願兵」という意味である。したがって「ボランティア」というのは個人の自発的な意思で行う行為であって誰かに強制されてやるものではない。しかし都教委が「東京都必履修科目」として設定した「奉仕」や「人間と社会」ではこの原則が踏みにじられ、福祉施設や清掃活動、児童の学習支援など本来行政機関が労働者を雇用して提供すべき行政サービスを学校の指導引率の下、無償で高校生に行わせているのだ。

 もはや都教委や都立高校が進めている「オリンピック・パラリンピック教育」は「ボランティア」などという綺麗な言葉で形容できるものではなく、完全な「force to work」となってしまっている。自発性・主体性なき「ボランティア」は本来のボランティアという言葉の意味とは似て非なるものである。

 こんな欺瞞に満ちた「ボランティア」をまともに説明できる教師は少ない。とある都立高校の副校長は「学校で行うボランティアは『ボランティア』ではなく、『ボランティア体験学習』である。学習なので実際のボランティアとは違う。」と述べていたそうだが、詭弁もいいところだ。

 詭弁を弄さなければ説明できない「ボランティア」とは一体何なのだ。教育者が詭弁と嘘八百ばかりでは教わる生徒は何を信じれば良いのだろうか。このような大人の理不尽なご都合主義は生徒の人格形成において多大な悪影響を与えることだろう。

 都市ボランティアの応募強制、ボランティア・サミットにおける動員疑惑、そして「人間と社会」。都立高校生はいつから都知事と都教委の便利な奴隷になったのだろうか。「ボランティアは自主性が大事」―当たり前だ。これまで散々組織的にボランティア教育推進の名の下に生徒の自主性を無視しておきながら今更何を言っているんだ。上辺だけの美辞麗句で誤魔化さなければ正当性を担保できないことはそもそも政策として推進すべきではないだろう。

 緑がトレードマークの某女史風に言うならば自称「ボランティア」という名の強制動員が発覚して、東京都そして日本国のイメージを毀損する「負のレガシー」が残る羽目にならないよう、欺瞞に満ちたボランティア教育を今すぐやめるべきだ。

(本紙編集長=平松けんじ)

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(筆者)
平松けんじ Kenji HIRAMATSU
2015年11月、東京都立新宿山吹高校在学中に校内新聞「YAMABUKI JOURNAL」を創刊。編集長を一年間にわたり務める。在任中は生徒会会則非公開問題を取り上げた記事をはじめ、ボランティア必修化を疑問視する論説などを発表し、学校側に繰り返し紙面の検閲を受ける。卒業後は各地の学校の生徒自治を支援する組織「生徒自治支援センター」の所長を務め、2019年1月より「The Interschool Journal」編集長。
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山吹町 ビラ投函 取材
(新宿山吹高校付近の民家に投函されていたビラ=画像提供・新宿山吹高校関係者)

 都立新宿山吹高校近隣の民家などに同校を批判するビラが配られていたことが、19日わかった。同校関係者が取材に答えた。

 この関係者によると、後輩の新宿山吹高校生徒がTwitterで明らかにしたとのことで、文京区音羽まではビラの投函が確認できているとのこと。

 投函されたビラは3枚。「危険なのはどっちだ?」と題されたビラ1枚、「ストップ全日化。」と題されたビラ1枚、昨年に発行されたものと思われるYAMABUKI JOURNAL1部のようだ。提供された画像を見る限り、新宿山吹高校と同校自治委員会の対立に関するもののようだ。

学校側・自治委員会側ともノーコメント
 本件について東京都立新宿山吹高校の藤田豊副校長は取材に対し、「そういうことはあるとしてもないとしても言えない」と回答を拒否した。

 また、当該ビラの発行元と推定される新宿山吹高校自治委員会は取材に対し、「現時点でコメントできることは何もない」としており、ビラ投函騒ぎへの関与の有無などを明らかにしなかった。

背景には1年以上にわたる高校紛争
 新宿山吹高校に詳しい観測筋によると、近隣へのビラ投函の背景には2017年6月から1年半以上続いている高校紛争が関係しているという。

 2017年6月、校内新聞「YAMABUKI JOURNAL」電子版に掲載された記事を巡って学校側が同紙編集長を「指導」したことからこの紛争は始まり、2017年12月、「YAMABUKI JOURNAL」編集長の生徒が新宿山吹高校自治委員会を立ち上げて活動を始めると学校側との対立は最大級となったという。

 YAMABUKI JOURNALなどの報道によると、自治委員会は「このままでは新宿山吹高校で自由が失われ、全日制の高校のような校風になってしまう。」と訴え生徒自治と民主的な学校運営を要求しているが、学校側は自治委員会の議長を務める生徒に「指導を受けなければ授業を受けさせない」旨を宣告したり、他の生徒に「自治委員会は本校とは無関係です。関わらないでください。」というメッセージを発表するなど、自治委員会を学校から排除しようとしていて対立が続いているようだ。

観測筋「自治委員会による学校側への意趣返しか」
 今回の近隣へのビラ投函について、観測筋は学校側が校内での自治委員会の活動を妨害したことに対する自治委員会側からの意趣返しではないかと見ている。同観測筋は「(ビラ投函の)直前に学校側が自治委員会の校内活動を禁止する旨の発言をしていたことから、自治委員会側が報復措置として近隣へのビラ投函に踏み切ったのではないか。」と話している。また、同観測筋は私的な見解であると断った上で「状況から考える限り自治委員会側はすでに複数の対抗策を準備している可能性が高く、学校側の態度いかんによっては発動しかねない。このまま学校側が自治委員会に強硬な態度を取り続ければカタストロフィを迎える恐れがあり、とても心配だ。」と述べた。

千歳丘高校・西高校でもビラ配布か
 また、YAMABUKI JOURNALの報道によると、新宿山吹高校自治委員会は21日に都立千歳丘高校、22日に都立西高校で相次いでビラを配布するなど宣伝活動を拡大しており、もはや新宿山吹高校にとどまらない勢いを見せている。新宿山吹高校自治委員会首脳の話によると、近日中に複数の他校でビラを配布する予定とのことだ。

対立深める学校側と自治委員会 いい加減に歩み寄って話し合いを
 私の母校・東京都立新宿山吹高校と新宿山吹高校自治委員会の激しい対立が遂に地域住民や他校を巻き込むレベルまで激化していると聞き、非常に驚いている。話を聞いている限り双方が攻撃的な行動を自制し、歩み寄っていくしかない気がする。どこかで落とし所を見つけて話し合わないことには問題は一向に解決しない。あと5カ月で紛争開始から2年になると聞く。君たちはまだ紛争を続けるつもりなのか。

 学校側は自治委員会を潰すことに意固地になり過ぎている。自治委員会の主張・行動を見る限り、学校の民主化と生徒自治の確立、自由な校風を守ることを要求しているだけで、授業妨害を行う等明確に学校業務を妨害するような行為は何一つないだろう。自治委員会は今月16日から校内で生徒相談窓口を開いているそうだが、自治委員会のメンバーの生徒が生徒の相談に乗ることが悪いことだとは全く思えない。にもかかわらず学校側は自治委員会を校内から排除しようとしている。これが対立先鋭化の原因だと言えるだろう。

 学校側は自治委員会が気に食わないのかもしれないが、歩み寄って話し合いの場を設け、妥協点を探る努力をすべきだろう。このまま紛争を続けたところで学校側・自治委員会はもちろんのこと、在校生や卒業生にとっても損しかない。学校側が執拗に自治委員会を攻撃し続けることで、紛争がより一層クローズアップされ、同校生徒や卒業生の「新宿山吹高校在学・卒業」という経歴を傷つけている気がしてならない。学校側はもう少し冷静になって自治委員会と話し合いの場を作って問題を解決する努力をしていくべきだと思う。

 また、自治委員会も学校側をいたずらに挑発するような好戦的な行為はやめ、学校側と穏健な形でじっくりと話し合いを行って問題解決に努めるべきだ。学校側が話し合いに応じないとか、自治委員会を攻撃・弾圧してくるだけならば徹底的に闘うことも理解できるが、話し合いの努力は惜しむべきではないと思う。

 最後にまとめるが、いい加減、学校側も自治委員会も話し合いを通じて問題を解決してほしい。いつまでも紛争を続けていては一般の生徒たちが可哀想である。一卒業生からの心からの願いである。ひとつどうかよろしくお願いしたい。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)




 今月15日、都立町田総合高校で教諭が生徒に暴力を振るったことがわかった。Twitter上に教諭による暴力行為を撮影した動画が流出したことにより発覚した。動画の中で教師は、男子生徒を突き飛ばして壁際に追いやった上で頬を殴り、床に引きずり倒し、「ふざけんじゃねぇよ。誰に言ってるんだよ、おめぇよ。」と発言している。そして慌てて止めに来た生徒に「先生!」と言われると、「何だよ!」と怒声を浴びせかけている。

 被害生徒は顔面打撲と口の中を切る怪我を負った。

副校長・都教委、事実関係を認める
 都立町田総合高校の石川副校長は取材に対し、同校の教諭が生徒に対して暴力を振るったことについて事実関係を認めた。

 また、体罰事案を担当している東京都教育委員会人事部職員課の鈴木隆也・任用担当課長は取材に対し、教諭による暴力行為を事実関係として確認しているとした上で、都教委としては「体罰というのは、私どもは防止に努めているわけであり、このようなことが起こったことは遺憾である。非常に適切ではない。そのうえで今後、事実関係を確認して然るべき厳正な措置をとるということを考えている。」と話した。

ピアスが原因ではない…原因は教諭の発言

 一部報道やネット上の投稿ではピアスを外さなかったことなどが教諭と生徒が口論に至る原因との話が流布されているが、教員の体罰事案を担当している東京都教育委員会人事部職員課・鈴木隆也任用担当課長は「直接的には関係ない話」と否定した。

 鈴木氏によると、15日の事件の原因は、教諭が先月、生活指導に際して生徒の尊厳を傷つけるような発言を生徒の友人に言ったことだという。この友人が生徒に多少不正確に教諭の発言を伝えてしまい、生徒が教諭に問い質したことから事件は始まった。そこで教諭側と押し問答になったため、生徒が教室の外に出ることを提案し、教諭も教室外に出た。その後生徒と教諭が廊下で口論になり、生徒の語気が教諭を嘲るような形で荒くなっていった。これに逆上した教諭が逆上して暴行したという。

加害教諭は校長に体罰を報告
 流出した映像には入っていないものの、教諭は生徒を暴行した後、そのまま校長室に行き、「体罰をやってしまった」旨を校長に報告したとのこと。

 現在、暴力を行った教諭は都立町田総合高校に出勤しているものの、授業や部活動の指導からは外されている。

加害教諭の評判は?
 教諭は保健体育科の教員で町田総合高校では生活指導を担当。2018年4月に別の学校から町田総合高校に転任してきたばかりで、校長は「特段暴力的な指導をするタイプではなく、意外だ」と話しているという。町田総合高校の生徒は「いつもいい授業をしてくれて面白い先生で体罰を行うとは到底思えない。」「授業の評判は良い。」と話しており、生徒からの評判は良いようだ。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)

 昨年11月3日に東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた「都立高校生等ボランティア・サミット」に全日制課程の都立高校生が各校から2名ずつ動員されていた疑いがあることがわかった。複数の都立高校生徒が証言した。

都立高生「先生から声をかけられ半ば強引に」
 23区の都立高校に通う生徒は「ボランティア・サミットの話は顧問教諭を通じて生徒会に来てまして各校から2名ということでしたので、他にやりたそうな人がいなそうだったので自分と友人で行くことになりました。別にやりたかったわけではないです。顧問教諭もボランティア・サミットにいい印象を抱かなかったようで、『各校から2人出さないといけない。』みたいなことを言ってましたね。顧問は不本意ながら強制という雰囲気でした。」と語った。また、多摩地域の都立高校に通う生徒は「先生から声をかけられ半ば強引に(参加させられた)。参加者の大半が班での自己紹介で皆、教諭から依頼されたという旨を発言していた。」と語った。

 これら複数の都立高校生の証言から学校側が組織的にボランティア・サミットに動員を行った疑いが出てくる。

公文書に参加校数・生徒数を明記
ボラサミ公文書2

 そして都立高校生らの証言を裏付けるかのように、東京都教育委員会(都教委)がボランティア・サミットが実施される約2カ月前時点の公文書に、対象として「全日制課程178校の生徒2名及び教員1名」と明記していたことが情報公開によって明らかになった。

 開示された公文書は2018(平成30)年9月18日付で東京都教育庁高等学校教育指導課長名で各都立高校・中等教育学校の校長宛てに発出された「都立高校生等ボランティア・サミットの開催について(通知)」と題したもの。

 同文書は、ボランティアサミットの参加者として都立高校全日制課程178校の生徒2名及び教員1名が最初から明記されており、都立高校・中等教育学校の校長に対し「貴校の生徒及び教員の参加について、お取り計らいくださるよう」求めている。

 しかし一方で、定時制・通信制課程の都立高校については参加校数や参加生徒の人数などの具体的な数値は明記されておらず、「出席を希望する生徒等がいる場合は担当までご連絡ください」と書かれていただけだった。

都教委の見解は? 「強制という文言は入っていない」
 私は「都立高校生等ボランティア・サミット」を担当した東京都教育庁指導部高等学校教育指導課の佐竹指導主事に話を伺った。

 佐竹氏は先ほどの公文書について「強制という文言は入っていない」としており、ボランティア・サミットへの参加強制を否定した。佐竹氏によると、ボランティア・サミットを欠席した都立高校も存在しており、公文書に記載されている全日制課程178校全てから生徒2名及び教員1名が参加したとは言えないという。

 また、公文書中における全日制課程と定時制・通信制課程の差について、佐竹氏は定時制・通信制課程に在学している生徒には祝日にも仕事がある生徒もおり、参加できない事情などがあることから定時制・通信制課程については参加校数や参加生徒数を具体的に明記しない対応をとった旨を述べていた。しかしその一方で「特に差をつけたというわけではない」とも語っており、何故都教委が全日制課程と定時制・通信制課程の間でボランティア・サミットの参加者募集方法に差をつけたのか全く分からなかった。都教委の言うように基本的に参加は自由ということであれば、出席を希望する生徒がいたら都教委に申し出る定時制・通信制課程のような募集方法に統一しても支障はないはずだが、何故か都教委の公文書では記述に差が出ている。

都教委、不参加校に理由の報告を求めていた
 そして佐竹氏の発言より新事実が明らかになった。都教委がボランティア・サミットを欠席した都立高校に対して参加できない理由を出席者確認票に記載するよう求めていたことがわかったのだ。佐竹氏は具体的な欠席理由として、模試や学校説明会等の学校行事を例示したが、このような都教委の行動は圧力とも捉えられかねない。しかし佐竹氏は都教委の見解として「(都教委として)そういうふうには捉えていない」と否定し、学校側もそう感じて回答はしていないはずだと述べた。

動員された生徒の声に「来年度の運営の参考にする」
今回、都教委が公文書に参加者として全日制課程178校と明記したことが各学校の管理職にノルマとして認識され、結果的に都立高校生徒の動員に繋がったのではないか、という私の質問に対し、佐竹氏は「そういうご感想があったことに関しては今後こういうイベントをする際に学校には伝えておこうと思う。」「貴重なご意見として来年の運営に参考にさせていただきたい」とコメントするにとどめ、明確な回答を避けた。

参加した都立高生の反応は?
 「都立高校生等ボランティア・サミット」について、参加した都立高校生は様々な感想を述べていた。

 23区の都立高校に在学する生徒は「言ってることが当たり前のことばっかりでつまらなかったですね。『ちょいボラ』というちょっとしたボランティアみたいなのを小池百合子(・東京都知事)は映像で言ってましたが、道のゴミを拾うとかでしたし。高校生が集まっても烏合の衆で現実的で素敵なアイデアなんて出てきません。」とボランティア・サミットを酷評した。一方、多摩地域の都立高校に在学する別の生徒は「なかなか面白かった。」と評価した。

生徒の動員に参加者から厳しい声
また、今回問題となったボランティア・サミットへの都立高校生の動員疑惑について、参加した都立高校生から厳しい声が上がっている。

 23区の都立高校で生徒会役員を務めている生徒は「高校生の多くがボランティアなんて興味ないので、生徒会としては非常に面倒なことを押し付けられたな、という感じです。強制ボランティアとなるとヘイトは生徒会に向かうでしょうし。」と、都教委が推進するボランティア教育に懸念を表明した。そして別の都立高校に在学する生徒は「人数集めのプロセスに問題がある」と語っており、双方ともに東京都の「ボランティア教育」政策に厳しい声を投げかけた。

垣間見える「ボランティア教育」の強制性
 今回色々取材をしてみて、都教委がボランティア・サミットについて公文書で具体的な対象校数や参加生徒数を明示したことや、ボランティア・サミットを欠席する学校に理由を提出させたことが各校の校長・副校長に圧力を感じさせ、生徒の動員に繋がってしまったのではないだろうかと感じた。都教委の担当者は公文書に基づく生徒の動員や校長への圧力を否定したものの、彼らの説明は動員や圧力が存在した疑いを払拭できるものではなかった。

 都教委の担当者はものすごく丁寧に対応してくださったが、私の質問に正面から答えようとしなかったり、明確な答えをいただけない部分があったこと、そして矛盾と疑念を解消できなかった点については非常に残念だ。都民そして都立高校生に対して説明責任を果たさない都教委に政策を実行していく権利はないと思う。

 本来、ボランティアというのは個人の自発的な自由意思で行われる社会貢献であり、学校や教育委員会が強制するものではないはずだ。しかし東京都の「ボランティア教育」では動員や強制を生徒に感じさせる事態が続発している。先月も都立高校でボランティア応募を強制していると捉えられるような発言を教員が行っている。これらは「ボランティア」という言葉に対する冒涜だと思う。「ボランティア」という言葉を強制徴用や学徒動員の真似事を指す名詞として使っている東京都の現状。子どもたちに言葉を教える教師が嘘の意味を教えていいのだろうか。

(取材・文=編集長・平松けんじ)

 都立町田総合高校で教員が生徒に暴力を振るったことが17日わかった。「町田総合高校」と称するTwitterアカウントが教員による暴力行為を撮影した動画を投稿したことにより発覚した。動画の中で教師は、男子生徒を突き飛ばして壁際に追いやった上で頬を平手打ちし、床に押し倒し、「ふざけんじゃねぇよ。誰に言ってるんだよ、おめぇよ。」と発言している。そして慌てて止めに来た生徒に「先生!」と言われると、「何だよ!」と怒声を浴びせかけている。

副校長・都教委、事実関係を認める
 都立町田総合高校の石川副校長は取材に対し、同校の教員が生徒に対して暴力を振るったことについて事実関係を認めた。石川副校長によると、現在教師と生徒双方から事情を聞いて調査しているとのことだ。

 また、体罰事案を担当している東京都教育庁人事部職員課の鈴木任用担当課長は取材に対し、教員による暴力行為を事実関係として確認しているとした上で、都教委としては「体罰というのは、私どもは防止に努めているわけであり、このようなことが起こったことは遺憾である。非常に適切ではない。そのうえで今後、事実関係を確認して然るべき厳正な措置をとるということを考えている。」と話している。

(編集長=平松けんじ)

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