青山パワポ
(画像=Twitterより)

 昨年10月16日、「期間中の青山高校の対応」と題された東京都立青山高校の内部資料と思われるパワーポイント資料がTwitter上に投稿された。この資料にはパラリンピック期間中の平常授業や文化祭、振替休業などのスケジュールが記されているほか、9月1・2日の文化祭「外苑祭」の振替休業日に「任意参加のボランティア」を、9月5日(土)の土曜授業で「学校行事としてのボランティア」を実施する旨が記載されている。

 この資料について東京都立青山高校の小澤哲郎校長は「全く同じかどうか断言はできないが、自分が作った資料とおそらく同一だと思う。」とコメントした上で、教員及びPTA向けに作成したものだと説明した。小澤校長によると、資料は「東京オリンピック期間中に通常の学校の教育活動ができない」ため、青山高校としてオリパラ期間中にどのように対応していくかを保護者に説明し、安心してもらう目的で作成したもので、ボランティア教育について説明する趣旨ではないという。

「任意参加のボランティア」という謎の表現
 ボランティア教育についての趣旨ではないとは言え、資料中に「任意参加のボランティア」「学校行事としてのボランティア」という2種類の「ボランティア」が記載されているのは疑念を抱かざるを得ない。本来、ボランティアは任意なのは当然であり、わざわざ「任意参加の」という文言を付け加える事自体がそもそもおかしいからだ。しかし資料中の記述では「任意参加の」「学校行事としての」という2種類の「ボランティア」が明確に区別されている。

 この点について小澤校長はこの2種類のボランティアの区分けが「ボランティアの本来の語意からすると確かに的確ではなかったと思う」と話した上で、それぞれ次のように用語の意図などを説明した。

・「任意参加のボランティア」…一生涯に一度あるかないかの東京オリンピック・パラリンピックでのボランティアに参加したい生徒に対し、自由に参加できる機会を提供していくもの。

・「学校行事としてのボランティア」…「ボランティア」という名称を使っているものの、ボランティアを実施するかどうかも決めていない。学校としては校外学習として試合を観戦したりする等の行事として検討を進めている。(現時点では未確定)

 また、小澤校長は、青山高校の全生徒をボランティアとして動員することは900人近い生徒数から言って実現不可能だとして、「学校行事としてのボランティア」での生徒動員に否定的な見解を示した。

追記(2019年2月17日):2018年10月17日付で都立青山高校から公式発表された保護者宛の文書では、東京都教育委員会から都立青山高校側が生徒のオリンピック観戦と高校生ボランティアへの参加が求められている旨の記載があった。オリンピックの試合観戦チケットを配布する方針であることや、ボランティアについては都教委の方針が決まり次第周知する旨の記載があった。

試合観戦も含めて生徒の自由意思を尊重すべき
 今回、青山高校の小澤校長は「学校行事としてのボランティア」の内容として試合の観戦などの校外学習を検討していると言っているが、あくまで試合観戦も含めてオリンピック・パラリンピックに学校行事だからといって生徒が動員されるのは好ましくない。東京都教育委員会は試合観戦や五輪ボランティアへの参加を検討しているようだが、このようなことを組織的に行っていくというのは非常にナンセンスな試みだと思う。試合観戦の「ボランティア」にしろ、大会ボランティアへの参加にしろ、あくまで生徒個人の自由意思で判断させるべきだ。都教委や学校が勝手に学校行事の名の下強制することはあってはならない。

 そもそも、都立青山高校でこのような内部資料がTwitterに流出した背景には「オリパラ教育」「ボランティア教育」に対する高校生たちの反感があるのではないか。実際、「ボランティア強制」に反対する都立高校生は水面下でSNSや本紙のようなメディアに情報提供するなどして告発している。

 あくまでボランティアは自主的・自発的に本人の自由意思で行われるものだ。強制があってはならない。教員はこの点に十分留意して「ボランティア」という言葉を使うべきだ。
 
(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)