兵庫県立高校の進路指導部の教員が兵庫県立大学の推薦入試を希望する生徒4名の出願書類を期日までに提出し忘れ、生徒が受験できなくなる事態が発生したことが、13日、わかった。県教委は「生徒の人生を左右しかねない重大なミスですので誠に申し訳ない」と話している。
 県教委高校教育課によると、この高校では出願書類を4人分まとめて学校が県立大学に提出することになっており、締切当日に進路指導部の担当者が県立大学側に郵送したが、締切日というものを十分に確認していなかったために結局間に合わなかったという。その後この高校では進路指導部の担当者複数名で確認を行い、このままでは間に合わないということに気づき、校長が大学側に事情を説明しに行ったが受理されなかったという。

 県教委によると、被害にあった生徒は心の動揺も大きいという。学校側はこの事態を受け、当事者の保護者と生徒に謝罪したほか、補習や精神的なフォローを実施したとのことだ。

県立大「当日直接持参であれば受理できた」「募集要項に書いてある」
 県立大学の担当者は、本紙の取材に対し、出願書類は「少なくとも期日を過ぎて届いた」と話した上で、出願書類書類を受理しなかったことを認め、「入試というものの性質上公平性が重要」「期限を守っていただくというのは絶対」と理由を説明した。

 また県立大学の担当者は、県立大学では郵便事情等も考慮して締切日当日に出願書類を直接持参して提出することを認めており、募集要項にもその旨を記載してあると話していた。その上で担当者は当日県立高校側が直接出願書類を持参すれば受理できたとも付け加えた。

進路指導部長ら教職員2名を戒告
 県教委は今回のミスを起こしたこの県立高校の女性教諭(56)=進路指導部長=と男性教諭(64)=再任用・進路指導部=を戒告処分にし、組織的に複数でチェックする体制を校長の指導の下徹底していく研修を強化するとしている。

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)
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