今月20日、東京都内の区立小学校で運動会に向けた組体操の練習中、小学6年生の女児が怪我をした疑いがあることが、本紙の取材でわかった。

事故の詳しい状況は次のようなものだという。
担任教諭、怪我した児童を怒鳴りつける
情報提供者によると、事故後、担任教諭は泣いていた被害児童Dに対し、大声で怒鳴りつけた上、「そんなに痛いなら保健室に行けば!?」と大声で言ったという。
教諭に怒られるのが怖かったため、Dがすぐに保健室に行こうとせず、手をかばっていたところ、教諭は「(保健室に)行きなさい!」とさらに怒鳴りつけたという。
その後、Dは保健室の養護教諭による手当てを受けたものの、担任教諭からの事情聴取もなく、何故組体操が崩れたのかも検証が行われていないという。
翌日も包帯を巻いていたDに対し、教諭は「そんなに酷いならさっさと保健室へ行けばよかったのに」という発言をするなど、教員側の対応に問題があることは否めない。
2016年に区教委から組体操を自粛するよう求める通達が出るも…
情報提供者によると、この小学校がある区では2016年に区教委から組体操を自粛するよう求める通達が出されており、これを受けて同小学校では簡単な組体操と団体行動に変更されたという。この情報提供者は「通達が出された2016年は二人組の技やせいぜい扇のようなもので安心して見ていられたが、年々『去年は出来なかった技に挑戦!』と結局難易度が高いものが追加されてきている。」と話している。
本紙の緊急調査に22区が回答
今回の組体操事故の疑惑を受け、本紙では東京23特別区の各教育委員会に対し、緊急で「組体操を禁止・自粛するよう求める通達を出しているかどうか」を電話調査した。調査には台東区を除く22区教委が回答した。(=表=)
今回、組体操を禁止・自粛する通達を出していると回答した区は13区(千代田区、墨田区、江東区、品川区、大田区、中野区、新宿区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、足立区、江戸川区)。一方で組体操を禁止・自粛する通達を出していない区も9区(中央区、港区、文京区、目黒区、世田谷区、渋谷区、豊島区、練馬区、葛飾区)にのぼり、各区の対応が分かれる形となった。
特に積極的な禁止を盛り込んだのは北区。同区では2014年5月に組体操の重大事故が発生している。その後北区教委では教育委員会の会議で組体操の複数の技を禁止することが決定された。
一方で施設の充実から安全性を向上させている旨のコメントをくれたのが港区教委。同区では組体操の禁止・自粛の通達は出していないという。同区教委の篠崎玲子統括指導主事は「小学校は人工芝なのでクッション性があり、他区と状況が違う」と話していた。
情報提供者「危ない技への挑戦が本当に必要なのかを今一度考え直して」
今回、本紙に情報提供してくださった情報提供者は、事故を振り返り次のように語っていた。

事故が起こったと見られる学校で行われていた組体操の技(図=情報提供者作成)
情報提供者によると、事故があったのはとある区立小学校の校庭で小学5・6年生合同の組体操の五人技の練習を行っていたときだという。技は段数としては二段。中心の児童が肩車をし、左右の児童が倒立をし、足を支えるというものだという(=図=)。
事故の詳しい状況は次のようなものだという。
(1)児童Aが児童Bを肩車して立ち上がる
(2)中心に立っているAに向かい、女子児童Dが右側から倒立して、Aが足を受け止める
(3)左側の児童Cが中心に立っているAに向かって倒立。Cの足を受け止めきれず、よろけ、Dの手を踏む。
(4)Dが驚いて叫び、足を下ろすと全体が崩れる。
画像・被害児童Dの怪我(提供=情報提供者)
事故により被害児童Dは病院に行くほどではないものの、左手人差し指に少し腫れが残り、指を曲げると違和感を感じる怪我をしたという。担任教諭、怪我した児童を怒鳴りつける
情報提供者によると、事故後、担任教諭は泣いていた被害児童Dに対し、大声で怒鳴りつけた上、「そんなに痛いなら保健室に行けば!?」と大声で言ったという。
教諭に怒られるのが怖かったため、Dがすぐに保健室に行こうとせず、手をかばっていたところ、教諭は「(保健室に)行きなさい!」とさらに怒鳴りつけたという。
その後、Dは保健室の養護教諭による手当てを受けたものの、担任教諭からの事情聴取もなく、何故組体操が崩れたのかも検証が行われていないという。
翌日も包帯を巻いていたDに対し、教諭は「そんなに酷いならさっさと保健室へ行けばよかったのに」という発言をするなど、教員側の対応に問題があることは否めない。
2016年に区教委から組体操を自粛するよう求める通達が出るも…
情報提供者によると、この小学校がある区では2016年に区教委から組体操を自粛するよう求める通達が出されており、これを受けて同小学校では簡単な組体操と団体行動に変更されたという。この情報提供者は「通達が出された2016年は二人組の技やせいぜい扇のようなもので安心して見ていられたが、年々『去年は出来なかった技に挑戦!』と結局難易度が高いものが追加されてきている。」と話している。
本紙の緊急調査に22区が回答
今回の組体操事故の疑惑を受け、本紙では東京23特別区の各教育委員会に対し、緊急で「組体操を禁止・自粛するよう求める通達を出しているかどうか」を電話調査した。調査には台東区を除く22区教委が回答した。(=表=)
今回、組体操を禁止・自粛する通達を出していると回答した区は13区(千代田区、墨田区、江東区、品川区、大田区、中野区、新宿区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、足立区、江戸川区)。一方で組体操を禁止・自粛する通達を出していない区も9区(中央区、港区、文京区、目黒区、世田谷区、渋谷区、豊島区、練馬区、葛飾区)にのぼり、各区の対応が分かれる形となった。
特に積極的な禁止を盛り込んだのは北区。同区では2014年5月に組体操の重大事故が発生している。その後北区教委では教育委員会の会議で組体操の複数の技を禁止することが決定された。
一方で施設の充実から安全性を向上させている旨のコメントをくれたのが港区教委。同区では組体操の禁止・自粛の通達は出していないという。同区教委の篠崎玲子統括指導主事は「小学校は人工芝なのでクッション性があり、他区と状況が違う」と話していた。
情報提供者「危ない技への挑戦が本当に必要なのかを今一度考え直して」
今回、本紙に情報提供してくださった情報提供者は、事故を振り返り次のように語っていた。
「組体操を楽しみに取り組んでいる子どももいるので一律に禁止しやめてほしいとは思っていません。うまく指導していただき、みんなで技を決めたときの達成感は他では得難いものであるとも感じています。ただ、指導の在り方として安全に配慮し先生が子どもたちのポジションを決め(現状ではどの子がどの役割をするかはほぼ子どもたちの話し合いに任せられている)、身体の使い方を具体的にアドバイスするなど正しく『教育』してほしいと思います。技がうまくいかないときに叱りつけても、何故失敗したのかを考察し具体的な改善を指導しないと『学び』にならないのでは。また、見栄えだけを追求するような危ない技への挑戦が本当に必要なのかを、今一度考え直してほしいと思っています。」
(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)