東京都立小山台高校(東京都品川区)で、12日午前中に20度前後の気温で水泳の授業が行われ、複数の生徒が体調不良になっていたことが、14日わかった。


2019年6月12日東京の気温 小山台水泳
資料=12日の東京の気温(気象庁HPより)
   授業に参加した同校生徒によると、気温は20度で水温は20.5度だったといい、4時限目に授業を受けた3クラスの中では、頭痛(多数)、吐き気(2人か3人)、貧血(1人か2人)、めまい(人数不明)、足をつるなど筋肉や関節に違和感(人数不明)、嘔吐(1人)、発熱(1人)などの症状を訴える生徒が複数いたという。

副校長「男子2名と女子が体調不良」
 同校の青木副校長は、本紙の取材に対し、2・3・4時限目に水泳の授業を行ったことを認めた上で、男子生徒2名が水泳の途中で体調不良になったこと(=体育科教諭からの聞き取り結果)と女子生徒が水泳後に体調不良で保健室で休養したこと(=保健室の利用記録)を明かした。

 青木副校長は、体育科教諭が記録している『プール日誌』をもとに「12日の気温は21度から22度で推移していた」ことから、12日の水泳の授業については「十分に安全に配慮をして授業を行っている」という見解を示した。

 その上で青木副校長は同校での水泳の実施可否の判断基準について「数字だけではなく、水温・風・体感温度計を見て、総合的に決定している」と述べ、「今後も生徒一人一人の体調に配慮して、適切に(授業を)実施していく」とした。

 その後、本紙記者が12日の水泳実施について「民法上の安全配慮義務違反ではないのか?」と質問したところ、青木副校長は「こちらとしては(安全配慮義務)違反はなかった。ちょっと民法とかはわからないが、今後も生徒の安全に配慮して授業を実施していく。」と回答した。

生徒は学校側を「いかれてる」と非難
 今回の水泳の授業に関し、実際に授業を受けた生徒たちからは反発の声が出ている。ある生徒は「午後模試なのに3年生をあんな寒いプールに入れるのはいかれてる」「(水温は)水道水そのままだ」と学校側を厳しく糾弾していた。本紙が接触した生徒によると、生徒内でも「体育科はおかしい」「体育科の暴走」と、同校体育科に批判的な声があがっているという。

都教委の見解は?
 今回の小山台高校の低温下水泳について、東京都教育委員会(都教委)指導企画課・美越統括指導主事が、17日、本紙の取材に応じた。

 美越統括指導主事は、6月12日の小山台高校での低温下水泳授業で複数の生徒が体調を崩したことについて事実関係を認めた上で、次のような見解を示した。
 「適時、プール指導については水温・気温、また生徒の状況を含めて確認しながら水泳指導を行ったと(学校から)聞いているので、今後も引き続きそれらの上で水泳指導を行っていただければと思っている。」
 その上で美越統括指導主事は今後の対応として「今後も引き続き研修等を実施するとともに注意喚起をしてまいります」とコメントした。

都教委「学校側の判断は適切とは言い難い」と見解を修正
 その後、東京都教育委員会(都教委)指導企画課・田村主任指導主事は、21日、記者に電話をかけ、17日の美越統括指導主事の回答を一部修正した。田村主任指導主事は、改めて都教委として事実確認をした結果として次のような見解を示した。
「水温が少し低かったということもありましたし、あとやはり実際に複数の生徒が体調不良になったということなので、これはやはり学校の判断が適切であったとはちょっと言い難い状況だな、と私共も認識しています。」
 その上で、田村主任指導主事は「(今後)こうしたことが起こらないよう、今後も引き続き研修を実施し、改めて注意喚起を行って学校長とかに周知徹底していきたい。」と述べた。

*2019年6月21日11時47分―都教委の修正見解を追加しました*

(取材・文=本紙編集長・平松けんじ)