先月24日に東京都教育委員会(都教委)に抗議文を提出した「日本自治委員会」とはどのような組織なのだろうか。日本自治委員会議長・平松けんじ氏に訊いた。


平松けんじ 都議会議事堂前 3

―日本自治委員会とはどういう組織なんですか?
平松けんじ・日本自治委員会議長(以下「平松」)「私達、日本自治委員会は、全国3校(=都立新宿山吹高、都立稔ヶ丘高、大阪市立中央高=)の自治委員会が結成した自治委員会運動の全国連合組織です。」

―そもそも『自治委員会運動』ってそもそも何なのでしょうか?
平松「ざっくり言ってしまえば自治委員会運動は、生徒会に代わる新しい生徒自治運動です。教員の御用機関となってしまっている既存の生徒会に代わって、常に生徒側に立って、生徒の権利・自由を守り、学校生活を改善・向上させる自治活動を行っています。私達は学校から独立した生徒自治機関として、学校側との団体交渉を行い、生徒の自由と人権を守るとともに生徒自身が学校運営に参画することを目指しています。」

―なぜ生徒自治を行い、学校運営に生徒が参加していくべきなのでしょうか。
平松「学校で教育を受けるのは生徒固有の権利です。その権利を行使する立場であるはずの生徒が学校の管理運営に携わることができないのはいささかおかしな話ですよね。学校は誰のためにあるのですか?」

―生徒のためのものです。
平松「ですよね。つまり生徒がより良い学習環境を手に入れ、学校生活をより良くするために生徒が学校運営の権利を得ることは当然の権利なのです。例えば、こういった授業をしてほしいだとか、◯◯大学への進学に最適化した授業をしてほしいだとか、生徒の自由を理由なく奪うなとか、寒い中水泳の授業をしないでほしいなどなど。生徒側が学校・教員に対して要求したいことは多々あると思います。そういったことを生徒側から要求して、学校側に実現させるのが自治委員会の役割なのです。」

―でもそういったことは生徒会でやるべきではないんですか?「自治委員会」という新しい組織でやる意義とか理由は何でしょうか?
平松「確かに本来生徒の自由と権利を守り、生徒側に立って学校側に生徒の要求を実現させるのは生徒会の役割です。しかし今の生徒会はどこの学校でも教員の手先・御用機関となってしまっていて生徒の代表機関の役割を果たしていません。だからこそ『自治委員会』が必要なのです。話は少しそれますが、そもそも生徒会がこのようになってしまったのは制度上の欠陥もあるのです。生徒会は学校のカリキュラム上の『特別活動』に位置づけられており、教育を理由に教職員の干渉を受けてしまう部分があるのです。その点、自治委員会は学校から独立しているので教員に忖度せず、生徒の民意を実現できるのです。」

自治委員会の設立、実は超簡単!?
―自分の学校で自治委員会を作るためにはどうすれば良いですか?
平松「答えはシンプルです。同志を4~5名集めて、規約を定めて、設立を宣言して、日本自治委員会に加盟するだけ。シンプルでしょ?規約も標準的なテンプレートをご用意しているので、即日設立可能です。タピオカミルクティーを飲みながらLINEで仲間を集めて自治委員会作ってみませんか?」

―何だかシンプル過ぎて…通販番組みたいな答えが出てくるとは思いませんでした(笑)
平松「生徒の意見を代弁する真の生徒自治機関が存在しない学校では、ニーズに対してサプライが全くされていないわけだから、そりゃいきなりシェア100%の独占営業ができるのは当たり前ですよ(笑)。逆に言えば、それだけ今の生徒会制度が腐敗して生徒のためのものではなくなっているということです。基本的に自治委員会の設立は、その学校の運営に生徒の不満を感じるような問題があること、生徒会が生徒自治機関として機能していないこと、その学校に自治委員会が無いこと、という3つの条件が満たされれば、即時可能と言って良いと思います。」

―でもそんなに簡単だと逆に設立した後、何をやれば良いのか分からない人たちも出てきますよね?
平松「それも大丈夫!通販みたいな受け答えで申し訳ないのですが(笑)。日本自治委員会に加盟している自治委員会に対しては、日本自治委員会から活動に関して様々な助言やサポートを提供しますので、安心してください。jpjichi@gmail.comまでメールで聞いてくださればいつでも回答しますし、選挙管理や監査など一部の事務を日本自治委員会に委託することもできます。」

―かなり手厚いサポート体制ですね。とはいえ新しい生徒自治組織の設立をすれば学校側から弾圧や圧力など不利益行為を受けてしまうのではないでしょうか?
平松「自治委員会運動は純粋に校内の生徒の要望を実現する生徒自治組織でしかないため、政治活動には当たりませんので、弾圧するのは不当な行為です。自治委員会の活動は教育基本法第14条第1項に定める『政治的教養』に当たるもので、学校側はこれを尊重しなければならないと法律に書いてあります。もし弾圧してくるようなことがあれば、これは明らかに不当な行為です。日本自治委員会には加盟している自治委員会を守る責務がありますから、もし手を出してくるようなことがあれば全力で闘いますし、法に反しない範囲においてありとあらゆる手を使って弾圧をやめさせますので、ご安心ください。」

平松けんじ Kenji Hiramatsu
 都立新宿山吹高校在学中に校内新聞「YAMABUKI JOURNAL」を創刊し、初代編集長に就任。生徒会会則非公開問題や、自由な校風に関する記事などを執筆。学校側に複数回検閲を受ける。その後、機能不全を起こしている現行の生徒会制度に代わる「第二生徒会構想」(現・自治委員会運動)を構想。2019年1月にニュースサイト「The Interschool Journal」を開設し、編集長に就任。2019年5月、日本自治委員会の設立に伴い、同議長に就任。現在は日本自治委員会議長、The Interschool Journal編集長、The Interschool Journal Weekly編集長の3足のわらじを履く。

(聞き手=上原瑞貴・日本自治委員会情報局長)
※The Interschool Journal Weekly 2019年6月30日号掲載記事を増補

日本自治委員会へのお問い合わせ・相談は jpjichi@gmail.comまで。