IMG_5071
渋谷区立原宿外苑中学校(撮影=平松けんじ)
 今年5月、渋谷区立原宿外苑中学校(大友文敬校長)で教諭が理科の授業中に不適切な動画を見せていたことが、19日、わかった。


 同校の主幹教諭が授業中にYoutubeの動画を見せた後、自動再生で「実は〇〇人だった芸能人!」という動画が流れた。動画は日本で活動している芸能人が実は外国籍であったというような根拠不明のいわゆる「まとめ動画」と称されているもの。主幹教諭は動画が流れた後も動画を止めずに生徒に見せ続けた。渋谷区教育委員会指導室・山口信忠統括指導主事はこれらの事実を認め、「適切ではない」とコメントした。

 なお、同校の大友文敬校長は本紙の電話取材に対し、同校副校長を通じて「区教委を通じて回答する」と回答を拒否した。

教諭「見せる計画をしていないから意図的ではない」

 不適切動画の放映後、保護者から抗議を受け、学校側が聴き取りを行った際、主幹教諭は「はじめから(動画を)見せる計画をしていたものではなかったことから、意図的ではない」と回答しているという。区教委は主幹教諭に対して複数回聴き取りを行っているものの、動画が流れた後に意図的に見せたかどうかは主幹教諭本人から確認が取れていないのが現状だという。

教諭は昨年にも不適切発言か
 また、主幹教諭は今年3月にも「日本が国際裁判でお金が積めないから北海道はロシアに、本州は中国にとられて、(日本は)九州と四国だけになっちゃうなんて話もある」という不適切発言をしていたという。区教委・山口統括指導主事は主幹教諭のこの発言をメモしていた生徒が2名いたことを認めた上で、次のようにコメントしている。
「(主幹教諭)本人が記憶している内容とは異なるが、そのように受け止める生徒がいたことは事実であり、そのように受け取られる発言であったと想像している」

区教委は授業観察や指導助言を検討
 区教委は主幹教諭に対し、再発防止に向け、指導主事による授業観察や指導助言を行うことを検討しているほか、学校側がネットリテラシーや情報モラルに関する研修を行う際に支援をしていくとしている(=山口統括指導主事)。

(取材・文=平松けんじ)

論評 生徒の証言より教師の発言に信用性を置く姿勢は不適切だ

 当該主幹教諭の授業中の行為や発言はもはや論外なのでここでは敢えて論評しない。というか論評に値しない。小欄で私が問題提起したいことは「複数生徒の証言より教師の発言に信用性を置く」というのはどうなのか、ということである。

 今回、原宿外苑中学校で起きた事案に対する学校や区教委の対応は、当事者の教諭からの聴き取り結果を第一義的な証拠として採用しており、生徒の証言を軽視している。区教委は「(主幹教諭)本人が記憶している内容とは異なるが、そのように受け止める生徒がいたことは事実であり、そのように受け取られる発言であったと想像している」とコメントしているが、そもそも複数生徒から同一の内容の証言が出ているのに、当該教諭の記憶をまだ信用しているのか。状況的に複数生徒から同一の証言が確保できるとは考えにくく、むしろ教諭側こそ信用性に難があると言わざるを得ない。

 ここまで生徒の証言より教諭の保身を優先するような対応を取るならば、学校に通う生徒たちは録音機を携帯して登校しなければならなくなる。明らかに保身だとわかるような弁解を目の前で見せつけられた生徒は大人の汚さを学んだことだろう。仮にも発展途上の人格を育てる教師がこのような保身ありきの姿勢で良いのだろうか。「反面教師」としては良いかもしれないが。

(文=平松けんじ)