今年3月、岐阜県・高山市立日枝中学校で剣道部の顧問が指導中に生徒の鼓膜を負傷させ、被害生徒に暴言を吐いていた可能性があることが分かった。


 市教委と学校によると、今年3月、剣道部の指導中、顧問の男性教諭が当時2年生の男子生徒に面を打ったところ、竹刀が男子生徒の左側頭部に当たり、左耳の鼓膜に傷がつく事故が起こった。また、複数のメディアの報道によると、男性教諭は「もう片方も聞こえないようにしてやるぞ」という趣旨の暴言を被害者に浴びせていたという。しかし市教委は本紙の取材に対し「顧問は『はっきりとは覚えてないけど言ったかもしれない』と述べており、生徒にも聞き取りを行ったところ『言われた気もするし言われてない気もする』」と回答しており、完全に事実とは認定しなかった。

 男性教諭と校長はこの事実を把握していたものの市教委には報告せず、7月10日、匿名のリークを受けた朝日新聞社が市教委に取材を行ったところ事実が明らかになったと市教委の担当者は明かす。

 男性教諭は暴言と報告の怠慢により厳重注意の処分を受けた。同教諭は事件後も剣道部で指導を続けていたが、周りを騒がせてしまったということもあり、現在は剣道部の顧問を退いている。また、校長も報告の怠慢により厳重注意の処分を受けた。

 なお、市教委は、男性教諭の担当教科・担任の受け持ちについては、「当該教員を特定される恐れのある情報は答えられない」として回答しなかった。

学校側は取材を拒否
 この事件に関して日枝中学校の教頭は、取材の途中で「市教委を通してプレス発表が出ている。それでは駄目なのか」と言い続け、事故と暴言の事実を認めながらも取材を拒否した。市教委によると、この取材拒否については市教委は指示を出しておらず、学校側が独断で行ったものとしている。

(取材・文=編集局記者)