大阪市教育委員会は9日、市立中の女子バスケットボール部員に暴力や暴言を繰り返したとして、昨年12月27日付で顧問の男性教諭(36)を停職1カ月、前校長(59)を減給3カ月の懲戒処分にしたと発表した。





 市教委・教職員服務・監察グループの合田正和担当係長によると、男性教諭は昨年4月以降、部員に対して次のような暴力を繰り返していたという。
・昨年4月、生徒がファウルをした際に、その生徒が着用していたビブスを引っ張って、生徒を転倒させた。
・昨年7月または8月、練習中に指示通りプレイできなかった生徒に対し、ビブスを引っ張り無理やり移動させ、背中を複数回叩いた。
・昨年8月30日、嘘をついた生徒に対し、座っていた椅子の足を蹴って、生徒を転倒させた。また、床に倒れた生徒の衣服を掴んで立たせ、後頭部を右手で掴んで、生徒の額を壁に押し付けた。
・昨年9月3日、練習中に指示通りのプレイができていなかった生徒に対して、ビブスを掴み、引っ張って移動させた後、生徒の体を蹴った。
 また、男性教諭は部員に対して暴言を繰り返しており、2018年9月、当時の部員の生徒らに対して、練習に全力に取り組んでいないという理由で「殺すぞ」と発言したり、2018年12月から昨年9月3日にかけて練習態度が悪いことや指示通りにプレイできないことを理由に複数回「ボケ」「アホ」と罵倒していたという。

 暴力・暴言を繰り返した理由について、男性教諭は「バスケットボールの指導をしている中で、自分の指示がうまく生徒たちに伝わらないことに対して苛立ちを感じた。その苛立ちが暴言や暴力に繋がった」と説明しているという。

保護者からの相談で発覚 前校長は暴言を報告せず
 一連の男性教諭の暴力・暴言は、昨年9月3日、男性教諭による部員への暴行を目撃した生徒が保護者に話し、話を聞いた保護者が別の教諭に相談したことで発覚した。この教諭は管理職に報告。校長が男性教諭に事実確認を行ったところ、男性教諭は事実関係を認めたという。このため、校長は男性教諭を女子バスケ部顧問から直ちに解任し、部員全員への聞き取り調査を実施。調査の結果、一連の出来事がすべて明らかになったという。

 合田氏によると、校長から市教委に電話で第一報がもたらされたのは昨年9月4日。その後9月13日付で報告書が提出された。これを受け、市教委が男性教諭、現校長や前校長などから事情聴取を行い、昨年12月10日の教育委員会会議で男性教諭らへの処分を決定した。

 一方で2018年度に学校が実施したアンケートに男性教諭の暴言に関する訴えが挙がっていたにも関わらず、前校長が事実の確認や教育委員会への報告を怠り、放置していたことが明らかになった。前校長は市教委の事情聴取に対して、「(『殺すぞ』や『病気』といった発言が)処分の対象となる暴言にあたるというふうに認識していなかった」と回答しているという。

男性教諭「生徒達に申し訳ない」
 男性教諭はこの事案について、「今回の件で暴力や暴言の対象となった生徒達に申し訳ない気持ちでいっぱい」「学校、地域、教育に携わるすべての人たちを裏切ってしまうことになった。本当に申し訳ありません」と反省の弁を述べているという。

 市教委・合田氏は一連の男性教諭の暴言・暴力事案について次のように述べた。
「本市では2016年12月に桜宮高校の事件があって以来、全市を挙げて学校現場からの体罰・暴力行為、特に部活動中の暴力行為については、根絶に向けた取り組みを進めていた。このような中で、このような事案が発生してしまったということについては、大変重く受け止めています。非常に残念であり、重く受け止めております。」
 また合田氏は管理職に対して「体罰・暴力もしくは暴言について把握した場合には疑わしきものであっても、必ず速やかに事実確認を行って教育委員会に報告」するよう求める通知を出していることを明らかにし、再発防止を図っていく考えを示した。

(編集局記者)