本紙は、8日から19日にかけて「新型コロナウイルスに関する中高生アンケート」を実施した。有効回答数は38件。全国の中高生から回答を得た。


 7日に安倍晋三首相が「緊急事態宣言」を全国7都府県(16日に全都道府県に拡大)に発令したことについて、中高生たちに尋ねたところ、緊急事態宣言を出したことそのものは評価しているが「遅すぎる」という声が57.6%(22件)に達した。また、緊急事態宣言を評価しつつも内容が問題だと指摘した声も13.2%(5件)あった。緊急事態宣言の内容を問題視している生徒に「緊急事態宣言がダメな理由」を自由回答で尋ねたところ、「報道やスーパー、コンビニなどの必要不可欠なものや、外でする仕事を除いて在宅勤務を義務付けるべき」「あくまで外出の自粛なので感染を大きく減らせるかは不明」「強制力がない」と、ロックダウン(都市封鎖)などの強制的措置を行っていない現在の政府の対応を問題視していた。なお、緊急事態宣言を出したことに否定的な回答は0件だった。

政府対応 評価分かれる

ISJ調査20200408アンケート政府対応点数化

 また、政府のこれまでの新型コロナウイルス感染症への対応について100点満点で評価を求めたところ、「40~49点」「39点以下」と否定的な評価が39.5%(15件)となり最多だったが、一方で「70点以上」「90点以上」との声も29%(11件)あり、評価が分かれた形だ(=上図=)。

 このほか、政府の経済対策について尋ねたところ、「国民全員にお金を配って、仕事に行かないで家で安全に過ごせるようにするべき」との回答が81.6%(31件)に達した。このうち、給付対象を限定すべきとの回答が39.5%(15件)となり、意外に一律給付への反対が多いことが分かった。消費税については「税率10%据え置き」を求める声が55.3%(21件)と過半数を超えるなど、財政健全化に関心の高い生徒が多いようだ。

 自由回答欄では政府の政策について様々な意見が寄せられた。代表的なコメントを紹介したい。
「仕事が出来ない人、学校に行って勉強したくても勉強が出来ない学生、アルバイトなどの収入が減り大学に通えないなどと言った国民が多々いるのも事実。国民に対しての手当てをもっと厚く行なえるなら行ってほしい」
「緊急事態宣言は決めた地域じゃなくて、日本全国に出していい。感染が少ないというだけで、感染者がいない・死者がいないわけではないので、国民一人一人が意識を持てるようなものでなければ効果は期待できない」
「もう少し小さな街のお店や、映画館やライブハウスなどのエンタメに対しての保障が必要」
「このパンデミックはある程度の社会的な封じ込めによって大幅に危険を抑え込むことができる、コントロールを試みるべきリスクであると思う。『恐怖を最も恐れるべき』と首相は演説したが、いまの日本に必要なのは『正しく恐れること』『妥当な範囲で恐れること』であり、その上で政府が『必要以上に恐れないで。リスクは最大限コントロールする、生活も保障する』というメッセージを発信すべきではないか。」
論評◇政府はスピーディーな対策実行で国民を安心させて
 安倍首相は、16日、緊急事態宣言の発令を全47都道府県に拡大したが、政府の対応は迷走している。2月末にいきなり全国一斉臨時休校を言い出したかと思えば、「アベノマスク」を配ると言い出し、収入減の世帯向けに30万円を支給する補正予算を直前でひっくり返し、これまでさんざん渋ってきた全国民一律10万円給付を決めるなど、政府の対応は全く一貫性に欠けるものだ。危機管理においてブレブレの場当たり的対応は被害を拡大させる。

 そもそも休業補償もされない中、企業や労働者に出勤を減らす自助努力を求めるのは間違っている。皆、食べるために働いているのだ。働くのをやめれば衣食住を失うから今日も出勤し続けているのだ。国会議員は何か月雲隠れしても満額の給料をもらえるかもしれないが、国民は1日休んだだけで給料が減らされるのだ。政府や国会議員の皆様方はそういう生活をしたことがないのかもしれないが、本来あなたたちは国民の代表なんだから、国民生活に気を配る努力をするべきだ。「出勤を減らしてくれ」「休業してくれ」というのであれば、それに対する補償は当然行わなければならない。自粛と補償がセットでないなら国民は飢え死にする。もう一度言う。国民は1日休んだだけで給料が減るのだ。国会をサボって入院しても給料を満額貰えるわけではない。

 国民が災害で困窮しているのを放置するような「国家」「政府」だったらそれこそ不要だ。今こそ国民生活を守るために思い切った政策を迅速に実行していただきたい。