Reported by 平松けんじ
ISJ調査20200408アンケート円グラフ(通信容量)
資料=本紙アンケート調査結果(2020年4月20日付記事より)
 本紙が4月8日から19日にかけて実施した児童生徒向けアンケートでも授業が遅れてしまうことへの不安の声や、オンラインでの学習環境に格差が生じていることが明らかになった。端末の通信容量制限について尋ねたところ、「無制限」が42.1%(16件)と最多だったものの、「7GB未満」の回答を合算すると39.5%(13件)に達する。このうち、通信容量が「2GB未満」という回答も13.2%(5件)存在し、オンライン授業を受けられる通信環境の生徒とそうでない生徒の格差が顕著になっている。(➢記事はこちら)

萩生田文科相会見20200417画像1
萩生田光一文部科学大臣(17日・文部科学省で=平松けんじ撮影)
 萩生田文科相は、24日の会見で本紙記者の質問に答え、「次の補正予算の中で、ルーター貸出用のものも確保する予定もありますし、また大手キャリア3社にはお願いをして、当面、夏ぐらいまでの間、特に高校生などはスマホで対応する学生さんも多いので、25歳以下の皆さんについては50ギガまでの対応というのを、既に了解をいただいて始まっている」と述べた。

 大手携帯電話事業者3社(ソフトバンク、KDDI、NTTドコモ)は、休校中の児童生徒・学生を支援するために25歳以下の契約者へのデータ無償化措置や割引措置を行っている。ソフトバンクとNTTドコモは、5月末までの追加データの購入料金を最大50GBまで無償化を発表。KDDIはデータ通信が使い放題となる4つの料金プランのいずれかに5月31日までに申し込んだ場合、月額料金から2000円を2か月間割り引く措置を実施することを発表している。(各社プレスリリース➢ソフトバンク ➢au(KDDI) ➢NTTドコモ)

「ギガスクール構想」自治体から費用面の不安も
 ところでオンライン学習の推進という点では、文部科学省が進めている「ギガスクール構想」というものがある。萩生田文科相は、子どもたちが1人1台パソコンを利用できるようにする目標の実現を今年度中に前倒ししているが、更新費用や通信費用の面で自治体側から不安の声が上がっているという。

 萩生田文科相は、24日の会見で、この点について自治体側からも話を聞いていることを明かしたうえで、「令和の時代のスタンダードの学校環境を整えていこうということを今申し上げている」と述べ、「今整備しても将来負担が大きくなるんだったらもしやめるという自治体が判断をされるとするならば、それは子どもの立場に立ってない」と自治体側に理解を求めた。

 また、萩生田文科相は「日進月歩で技術がドンドン変わってる」として、「(5年後には)もっと安くなる可能性も私はあると思いますので、そこは自治体の皆さんに寄り添いながら一緒に考えていきますから安心して整備をしてほしい」と付け加え、自治体側の不安を払拭する努力をする考えも示した。

 現在、一部の自治体では休校中の子どもたちの学習を支援するために授業動画や双方向のオンライン授業を展開しているところがあるが、そういった形での教育機会が全国的に確保されているとは言い難い。自治体ごとに教育機会に差が出るのは公教育のあり方としてあってはならない。今、大人たちが本当に考えるべきことは「未来の担い手」である子どもたちが二度と「学びを止めないで済む方法」だ。自治体側には財政的な懸念があるかもしれないが、それを理由に子どもたちの学びの機会が奪われることがあってはならない。だからこそ国は十分な予算を長期的・継続的に投入すべきだし、自治体も責任を持って子どもたちの学習権を保障できる「令和の時代のスタンダードの学校環境」を作っていくべきではないだろうか。