Reported by 平松けんじ 石川遥樹
東京都教育委員会臨時会が行われた都庁第一本庁舎(写真右)と都庁第二本庁舎(平松けんじ撮影)
東京都教育委員会は5日、臨時の教育委員会会議を開き、島しょ部を含めた全ての都立学校を5月31日まで引き続き臨時休校とすることを決定した。決定は今後都立学校各校に通知される。休校延長の対象は、都立のすべての高校、中等教育学校、附属中学校、特別支援学校。
5月末までの休校延長は、国が緊急事態宣言を延長したことを踏まえ、小池百合子東京都知事からの要請を受けて決定された。
都教育委員会教育政策課の秋田一樹統括課長によると、5日18時5分から開かれた都教育委員会臨時会は約30分程度で終わり、教育委員全員が臨時休校の延長に賛成の意見を述べたという。都教育委員会は、今回の決定内容を市区町村教育委員会にも周知し、都立学校の取り組みを参考に対応を依頼するとしている。
オンライン教育で対応へ
都教育委員会は、オンライン教育等による家庭学習の推進を図るほか、TOKYO MXテレビを活用し、小学生向けの学習支援番組「TOKYO おはようスクール」を平日の午前8時30分~午前9時と午後2時56分~午後2時58分に放送しているという。
オンライン教育に関して、秋田統括課長は「補正予算とかを組んで前倒しで進めているのでかなり進んでいる」と説明。しかし各学校によってICT教育への取り組み状況がもともと異なることもあり、ある程度の差は生じている模様だ。
このほか、都教委は、電話連絡や家庭訪問、テレビ電話等を行い、児童・生徒の心身の状況を把握しケアすることを行っていく方針であり、特別支援学校では、引き続き必要に応じて学校で過ごすことが可能としている。
分散登校には慎重姿勢
1日に文部科学省が出した分散登校などの学校運営上の工夫について記された通知に関して、秋田統括課長は「文科省の通知について都教委が見解を出しているわけではないが、あれはまあ地域とかに応じた一つの考え方」とした上で、「東京都はどちらかというと感染状況が悪い方なわけですので、(分散登校については)より慎重な判断が必要」と述べた。(➢関連記事)
また、ここ1週間程度話題になっている9月入学・新学期制の導入に関して、秋田統括課長は今後、臨時休校が長期化した場合に「オンライン教育でまかないきれない部分が出てくるとすると、全く大きくやり方を変えなければならない部分はある」「(9月入学・新学期制を)検討していただく必要があるのかな」と述べた。
各地で5月末まで休校延長相次ぐ
東京都以外でも千葉県や新潟県は5日に5月末までの休校延長を発表している。各地の自治体が次々と休校延長を決める中、正常な学習活動ができないでいる子どもたち。小池百合子都知事や吉村洋文大阪府知事などから国際標準とされる9月入学・新学期制の導入を求める声があがってきている。先が見えないコロナ禍を転機として改革を進めようという発想は子どもを置き去りにしていないか。大人たちが最も考えなければならないことは子どもたちの学ぶ場を確保することだ。グローバル化や強いリーダーシップの誇示という浅薄な目的で「9月入学・新学期導入」を政治利用することは厳に慎まなければならない。非常時だからこそ子どもに寄り添う「子どもファースト」の政策決定が必要だ。
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