Reported by 平松けんじ
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資料画像・文部科学省(10月4日 平松けんじ撮影)
 政府は、19日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でアルバイト収入が減ってしまい経済的に苦しい状態の学生を対象に1人10万円または20万円の「学びの継続のための緊急給付金」を給付することを閣議決定した。萩生田光一文部科学大臣が今日の記者会見で発表した。


給付金は1回のみ 住民税非課税の学生には20万円
 緊急給付金の給付対象となるのはアルバイト収入で学費などをまかなっていて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響でアルバイト収入が大幅に減り、学業継続が難しい国公私立の大学生、大学院生、短大生、高専生、専門学校生、日本語学校生。給付対象には日本語学校などで学んでいる外国人留学生も含む。また、特に厳しい環境に置かれている住民税非課税世帯の学生で、家庭からの支援がほとんど期待できないような学生には20万円を給付する。なお、緊急給付金は1回のみの給付だといい、繰り返し毎月給付することはないとのこと。

 文部科学省は給付対象者の人数を約43万人と試算しており、今年度の第1次補正予算の予備費530億円を活用する。

審査は各大学・学校で実施
 萩生田光一文科相は「大学生等が進学、修学をあきらめることがないようしっかりと支えていくことが何よりも重要だと考えており、速やかに必要な学生に支援がいきわたるよう早急に対応してまいりたい」と迅速に給付をしていく考えを示しているが、実際のところどういう方法で給付を進めていくのか。

 文部科学省学生・留学生課の杉野視学官によると、各大学・学校側は、学生から提出された給与明細などアルバイト収入が減少したことを証明する書類や、給付を希望する学生へのヒアリングなどで審査を行い、推薦名簿を作成するのだという。その後この推薦名簿に基づいて日本学生支援機構が学生個人の銀行口座に直接給付金を入金する。

 杉野視学官は「推薦名簿が出来上がったところから順次入金していく」と話していたが、実際に申請から給付までの期間は、大学の規模などによってスケジュール感に差が出る可能性は否定できないという。

 また、文部科学省は各大学・学校ごとに上限となる給付対象者の人数または給付金額を決める方針だといい、「その枠の中でそれぞれの大学(・学校)の中で名簿に入れる人と入れない人を決めていただく」(杉野氏)のだそうだ。

 杉野視学官は「細かく審査してチェックするよりは自己申告を信じるような形で進めていく」と説明している。

 文部科学省は、具体的な申請や審査の方法について今日明日中に各大学・学校側に審査の基準・方法や給付における考え方をとりまとめて送付する(杉野氏)。

学生団体や与野党からの批判・提言を受け
 当初、国は学費減免を行う大学などへの補助として第1次補正予算で7億円を計上していたが、学生団体がコロナ禍による収入減で多くの学生が退学を検討しているとの調査結果を公表するなど学生の窮状が伝えられたこともあり、緊急給付金を決めた。

 しかし大学・学校の規模によって給付のスケジュール感に差が出る可能性や、大学・学校ごとの上限の枠組みが決まっている中、本当に給付金を必要としている学生すべてを救済できるのか。疑問は残る。また、コロナ禍が長期化する中、10万円や20万円ぽっきりの給付金で本当に学生の生活、学びの継続ができるのか。家賃を引いたらあまり残らないのではないか。1か月分持つか持たないかの給付金では焼け石に水だ。政府には学生への継続的な支援を強く求めたい。