Reported by 平松けんじ
自民党WT②自民党本部
資料画像=自由民主党本部(東京・永田町 平松けんじ撮影)
 27日、与党・自由民主党(自民党・LDP)の「秋季入学制度検討ワーキングチーム」の会合が開催され、柴山昌彦座長が座長案を示したのち、参加した議員たちの間で議論が交わされた。今回の会合では座長案の了承は得られず、結論は次回会合に先送りされた。柴山氏は提言書の書き直しをしたうえで、再度29日に会合を開き、了承を取り付けたい考え。

一部議員が「見送り」報道を問題視し紛糾か
自民党WT①柴山
発言する柴山昌彦座長(東京・永田町の自民党本部で 平松けんじ撮影)
 なぜ今回了承が得られなかったのか―。

 柴山氏によると、「秋季入学にかなり熱い思いをもって議論されてきた先生が多かったですから、我々が提言案を書いたところとミスコミュニケーションになってしまった」という。柴山氏は「今年度、来年度の導入は見送るって風に明言をしたことによって、議論が先送りになったということを考えた議員もいたし、ちょっと混乱した発言をしていた議員もいた」とも述べていて、9月入学推進派の議員から反発があったことを示唆した。柴山氏によると、メディアに先送りという形で捉えられたことを問題視している議員がいたのだという。

 前回25日の会合では「(9月入学導入は)百害あって二、三利しかない」「子どもたち、保護者の皆さんの不安を解消するために9月入学をしないという結論を出すべき」「アメリカに合わせるのがグローバル化なのか」「今大事なのは今年度の学びをどうするか」と慎重論が噴出したが、今回の役員会はそうではなかったようだ。

 柴山氏は当初方針通り6月初旬までには「両論併記ではない一定の方向性が見て取れる」提言書を政府に提出したい意向だが、今回の会合で了承を得られず、「おしりに火が付いた状態」だという。

「学びの保障」どこ行った?
 本紙記者が現場で聞いてきた限りでは、児童生徒・学生の「学びの保障」というところから始まった「9月入学」とは全く別のところから議論を継続していくという方向性のようで、恒久的に9月入学を諦めるという話ではないとみられる。

 柴山氏によると、「今回の学びの保障のために半年遅れという形の9月入学制度を導入するということはやはりうまくないということが大半の議員の方々の認識」だという。座長代理の松本剛明衆議院議員も「(秋季入学)制度の本来の趣旨からいえば前倒しをやってこそ意味がある」と述べている。松本氏は「システムとしての9月入学と(学習の)遅れを取り戻す方法というのは別次元のものとしてきちっとやろうということ」と述べ、秋季入学制度と学びの保障の手段は別物として切り分けて考えていく方向性を示している。

 柴山氏は「義務教育の早期化とか、秋季入学制度を導入した場合の教育の多様性とか、夏のあり方の改革とか、個別最適化された学び、あるいはセメスター制度などいろんなことを集中的にこの機を活用してしっかりと政府にも党にも議論をしてもらうべきだ」という方向性で次回の会合で合意に達することができるのではないかとの見解を示しているが、一部報道で28日に自民党の下村博文衆議院議員らが9月入学推進のための会合を開いたと報じられるなど「見送り」報道を受けた一部の推進派議員の動きが活発化している。