石川遥樹 平松けんじ
 岩手県の4市町村の教育委員会が感染者の多い県外から転校してきた小中学生に対し、一律で2週間登校を自粛するよう要請していたことがわかった。登校自粛要請を出していたのは一関市、奥州市、洋野町、九戸村の各教委。
 6月上旬、報道関係者から問い合わせを受けた文部科学省が岩手県教委を通じて各教委に確認を行ったことで発覚した。岩手県教委によると、この要請により24名(一関市12名、奥州市9名、洋野町1名、九戸村2名)の児童生徒が学校に登校することができなかった。

 九戸村を除く3市町の教育委員会が、26日、本紙の取材に答え、事実関係を認めた上で登校自粛を求めた理由について次のように説明した。
「4月の段階で市民の皆さんの学校再開への不安があったことや、PCR検査を希望しても受けられる状況ではなかったこと、自覚症状がなくても発症する可能性があること、発症しなくてもうつす可能性があったこと、転入する子どもたちに心無い言葉を投げかけられないかという不安もあったこと、そういったこを総合的に判断した」(一関市)
「第1にはクラスター防止。潜伏を考えて2週間(登校自粛)をお願いした」(奥州市)
「関東圏からの転校生だったが、感染拡大している状況もあり、無症状の感染者もいるという状況で、誰が感染しているか分からない状況もある。検査体制が簡単に受けれる状況ではなく、(児童・生徒が)感染しているか分からない状況があった。(中略)2週間くらい休ませて感染していないということが確認された後に登校された方が、子どもたちにとっても保護者にとっても安心だし、その子にとっても何もないということが分かっている方がスムーズに学校の中に入っていけるだろう。」(洋野町)
文科相「一律出席停止は適切ではない」
 この問題について萩生田光一文科相は、26日の記者会見で「児童生徒の健康状態に着目せず、県外からの転入者を一律に出席停止とする措置は適切ではない旨、岩手県教委に伝え、適切に対応いただくようお願いをした」と述べた。萩生田文科相によると、6月22日に岩手県教委から4市町村教委で登校自粛要請を行わないこととしたと文部科学省に報告があったという。岩手県教委も4市町村教委に対して本人や家族の症状等を確認したうえで対応するよう要請した。

 「感染予防」「クラスター対策」という言葉面はごもっともだが、本紙記者の取材メモには各教委の長々とした弁解が記されている。県外から新天地で友達と仲良くできるか、そしてコロナの中不安な想いをしている子どもたちが感じた疎外感、悲しさを考えるといたたまれない。教育行政が子どもたちを「穢れ」のように排除する発想は教育者として相応しい対応なのだろうか。強い違和感を感じた出来事だった。