平松けんじ

 今日2020年7月3日(金)10時50分から文部科学省内で行われた、萩生田光一文部科学大臣の記者会見の模様を速報する。なお内容については記者が聴取した内容に基づいて記録しており、必ずしも正確さを保障できないこと、そして文章を「ですます調」ではない形で記録しており、発言を一言一句文字起こししたものではないことをあらかじめ断っておく。

千葉工業大学、筑波大学附属久里浜特別支援学校、国立特別支援教育総合研究所、海洋研究開発機構JAMSTECへの視察
萩生田光一文科相
おはようございます、私からは冒頭1件です。
今週6月30日に千葉工業大学、また昨日には筑波大学の付属久里浜特別支援学校と国立特別支援教育総合研究所、また海洋研究開発機構ジャムステックを訪問してまいりました。

まず千葉工業大学では、新型コロナウイルス感染症に関する学生支援や感染予防策の取り組みを視察をしました。遠隔授業での教員と学生とのやり取りやソーシャルディスタンスに配慮した対面授業の工夫を直接拝見したり、全学生への学食利用券の配布や、資金が枯渇している学生への緊急的な資金対応など、大学独自の学生支援策について説明をいただきました。理事長や学長との懇談ではロボット工学や宇宙科学といった分野での優れた研究成果についてもご説明をいただき、科学技術や人材育成の重要性などについて有意義な意見交換を行うことができました。

次に、昨日お伺いした筑波大学付属久里浜特別支援学校では、知的障害を伴う自閉症のある幼児・児童への教育の状況を視察をし、また国立特別支援教育総合研究所では特別支援教育の専門的な研究や研修に関するご説明を伺い、関係の皆様と意見交換を行いました。

子どもたち一人ひとりに応じた教育を推進するため、先生方が大変熱心に取り組んでいる様子や、それを支える様々な研究が行われていることについて大いに理解を深めることができたと思っております。

ジャムステックでは北極域の研究の現状や展望について説明をいただくとともに海洋地球研究船みらい、有人潜水調査船しんかい6500や自立型海中ロボットAUVネクスト等の視察や若手研究者等の意見交換を行いました。特に北極の海氷が急速に溶けているとの説明をいただき、気候変動に今後対応していくためにも北極域の観測・研究を進めていくことが非常に重要であると改めて認識をしました。

今回訪問しました関係機関の皆さんの取り組みに改めて敬意を表し、御礼を申し上げます。文科省としても引き続き大学等における新型コロナウイルス感染症対応への支援や、一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育の推進に向けた取り組み、北極域研究をはじめとするわが国の海洋科学技術に関する取り組みをしっかり進めてまいりたいという思いを新たにしたところでございます。

あの、ご案内の通り、記者クラブの皆さんに日程の公表をして、ご同行いただけるところはというふうに思っているんですけど、学校関係はもうしばらく遠慮いただいて、民間については張り出しをさせていただきます。民間というか大人が集まってるところは張り出しをさせていただきますので、また機会があったらご同行いただけたらと思います。私からは以上です。

共通テストの出題コンセプトの違う問題が出されることの公平性 活用方法
毎日新聞(幹事社)
ありがとうございます。幹事社の毎日新聞のオオクボです。よろしくお願いいたします。本日の会見にはインタースクールジャーナルさんも参加されておりますので予めお断りさせていただきます。

私から2点伺いたいと思います。
まず1点目が大学入試に関しましてなんですけども、先般大学入試センターのほうからですね、共通テストの実施要項のほうが発表になりました。それで問題に関しまして第1日程・第2日程は共通テストの問題と、特例追試に関しましてはセンター試験時代に作ったスペアを使うというような発表でしたけれども、この3つの、出題のコンセプトが違う問題が出されるということで公平性に関して大臣として公平だとお考えかという点と、それからセンター試験の問題を使うということで、比較が難しいという意見が大学側からかなり出ているようです。活用方法を、どう活用するかということに関しまして文部科学省として何か考えを出すお考えはございますでしょうか。

萩生田光一文科相
まず共通テストの第2日程を設定したことにつきましては、当初から想定していたことではなく、今般の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う臨時休業などを踏まえた措置であります。当然日にちが違って問題が違うわけですから難易度等含めて全く同じものを作るというのは不可能だと思います。ただ入試センターの専門家の皆さんが時間をかけて積み上げてきた設問でありますので、高等学校での学習の成果を評価するには十分なものだと認識してるところでございます。第2日程の追試験、いわゆる、これは従来にないまさに特例として位置づけをしました。したがってもともとの日程も2つを作る予定はなかったわけですから、第2日程を作ることによって、それの追試が必要になってきたわけでございまして、今ご指摘のように特例追試の問題は現行の学習指導要領に準拠して用意してあったセンター試験の緊急対応用問題をベースとするというふうに聞いておりますが、当該試験は共通テスト同様、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定することを目的としたものであるものであり、私としても今回の非常時にあって、これも活用して受験生の受験機会を最大限確保することが重要だという風に考えておりまして、有効に活用したいと思います。まさにこういう事態があった時に使おうということで予め用意してあったものを発動するということでございますので、ご理解いただきたいと思います。

学習遅れについて文科省として調査する考えはあるか
毎日新聞(幹事社)
2点目なんですけれども、学びの保障というか学習遅れの関係なんですけれども、先般、兵庫県の教育委員会がですね、県内の学習遅れの状況の差を測るために県内抽出方式で学力テストみたいなものを行うと、アンケートもつけて休校中に家庭学習をどのように行ったかとか、保護者のサポートがどの程度あったかとかそういったところで調べた上でどのあたりの学校に手厚く支援すると効果的なのかというところ、エビデンスみたいなものを得た上で、学校支援行っていこうという考えのようなんですけれども、全国的に、兵庫県内だけではなくて、全国的にかなり差があると思うが、文部科学省としてこの辺り何かお調べになってエビデンスベースで何か支援を行っていくという考えはございますでしょうか。

萩生田光一文科相
新型コロナウイルス感染症への対応にあたって感染症対策を徹底しつつ最大限子どもたちの健やかな学びを保障すること、これがまず重要だと思っている。いくつかの都道府県において臨時休業期間中の家庭学習の状況ですとか、学習指導の取り組み等に関する調査を実施していることは承知をしております。今ご指摘のあった兵庫県はですね、例えば早い段階で夏休みの短縮というのを打ち出しましたんで、逆にどういう根拠といいますかどういう判断でそういう風にしたのかなと、私はこちらから見てたですけど、ちゃんとそういう様々なきめの細かい調査をした上で必要な授業をしっかりやってくということにつながってくると思いますので、都道府県や市町村の教育委員会が独自にそういった取り組みをすることは歓迎したいと思います。

他方ですね、文科省、4月16日の時点で公立学校における学習指導等の取り組み状況調査を行ったんですけれど、当然その後学校が再開されてますし、今お話がありましたように全国的に夏休みを少し削ってという事態もあると思います。それから繰り返し申し上げている土曜日の活用などをする自治体も出てくると思うので、当然全国の実態については把握をしていきたいと思うんですけれど、しかし再開してまだ間もないですし、様々な事態が進んでる中で学校現場をあまり煩わせることも望ましくないんじゃないかと思っていますので、ちょっと様子を見ながら、言うならば期限を切ったりなんかしていついつまでに返事を下さいみたいなものじゃなくて、少し様子を見ながら調査を進めていきたいと思っていますし、それが取りまとめ次第発表したいなと思ってます。

毎日新聞(幹事社)
ありがとうございます。幹事社からは以上です。各社さんお願いいたします。質問の際は社名とお名前をおっしゃってからお願いいたします。

都内の感染者数増 文科省としての新型コロナ第2波の備えの検討状況は
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NHKのカナザワです。昨日ですね、東京で新型コロナウイルスの感染者が100名を超えました。2波が来ているのではないかというような話も出ていますが、文科省として教育現場での2波の備えについての検討状況、何かあれば教えてください。

萩生田光一文科相
学校現場での第2波に備えるためにも、まずは教育委員会等において都道府県の衛生主管部局等と日常的にしっかり連携してもらって地域の感染状況の把握、学校や家庭に対して十分な情報提供、しっかりやっていただきたいと思っております。また児童生徒等への感染拡大を防ぐためには学校や家庭において基本的な感染症対策に加え、身体的距離の確保など、新しい生活様式の実践に気を緩めることなく取り組んでいただくことが引き続き重要だと思っています。その上で児童生徒に感染者が出た場合には衛生主管部局等と連携しながら地域や学校の感染状況、またPCRの検査の結果等に基づいて出席停止や臨時休業等の対象や期間を判断していただきたいと思ってます。合わせて仮に臨時休業等を行う場合であっても学校に登校できない児童生徒の学習に著しい遅れが生じることのないよう、学校や指導計画等を踏まえてICT等も活用した適切な家庭学習を課し、登校日の設定等により教師が行う学習指導や状況把握と組み合わせて、可能な限り支援を、学習を支援することが重要です。文科省としましてもGIGAスクール構想の実現を通じた学校のICT環境の整備を早急に進めるとともに全国の感染状況に注意し、関係省庁と連携して必要な対策を講じてまいりたいと思ってます。

公立学校教員の変形労働時間制導入
北海道新聞
北海道新聞のスズキです。よろしくお願いします。教員の、公立学校教員への変形労働時間制の導入についてお伺いさせていただきます。今全国の都道府県で結構教員の方の在校時間調査をしているところが多いと思います。その狙いというのが来年度以降変形労働制を導入するにあたってエビデンスを集めたいということだと思うんですが、今年この新型コロナウイルスのせいで先生方の働き方、ずいぶん変則的だと思います。昨日中教審で示された指針の中にも前年の上限時間を上回っていないことなどというような条件があるわけですけれど、こういったこれまで先生方の働いてる時間を把握できてない中で、今年初めて把握した自治体というのは来年から変形労働時間制を導入する前提にあるような状況だと大臣はお考えでしょうか。

萩生田光一文科相
昨年の臨時国会において給特法の改正を行いまして休日のまとめ取りのため、1年単位の変形労働時間制を各地方公共団体の判断により条例で選択的に活用できるようにしたところです。条例の整備につきましては新型コロナウイルス感染症の影響も地域により異なることから今年度の勤務実態に限らず、地域の学校の実情に応じて各地方公共団体において適切にご判断いただきたいと思います。今ご指摘のように昨日の中央教育審議会、中教審において議論が進みましたので後は各自治体の判断で条例制定をしていただければ来年からの施行は十分間に合うということになったと思います。で、ご質問の今まで時間管理してない自治体がいきなりできるのかと言われると、そこはやっぱり意識を変えていただく意味で法律を変え、条例を作るわけですから、私は学校現場の皆さんが意識が変わればそこは上手にできるんじゃないかと思いますし、そういうことやってくことがこれからの先生方の働き方改革につながるものだと思ってます。直ちに条例改正は行わないということも考えられますけれども、来年4月からの本制度の導入を行おうとする地方自治体においては、9月議会での条例改正を考えていただいて、文科省としては速やかに省令等を制定するほか、今後各教育委員会に対して速やかに条例の参考例を示して丁寧に説明してまいりたいと思います。何かやっぱり、例えば、タイムカードなどをね、早めに用意してくださいということは何年も前から言ってるのに、去年の段階で全然そういうものはありませんという自治体や学校もありましたよね。だからここでだいたい法律を変えることで方向っていうのはみんな理解をいただけたんじゃないかなと思うので、誤解なく伝えたいと思いますけど、できる自治体できるところから取り組みを始めていただければ、それでよろしいんじゃないかと思います。

北海道新聞
ちなみに、ちなみにですね、今大臣おっしゃったようにこれまでタイムカードがないようなところで、今年度もまだ入っていないので、まず在校等時間の調査をやってるというところが結構多いと思うんですけど、そういうような状況ですと、大臣国会答弁でもよく在校等時間が増加しないように、仮に変形労働時間制を入れてもそうしないようにしたいとおっしゃっていましたけれど、それの歯止めになるというエビデンスというものがないのではないかなと考えるんですけど、そこの辺はご見解いかがでしょうか。

萩生田光一文科相

それは学校現場の判断が今までそういうことだったんだと思いますし、もしかしたら教育委員会まるごとそういう自治体もなかったとは言えないと思うんですけれど、もう世の中がこういう動きになってるので、各教育委員会がきちんとそこは管理をしていただけると信じてます。

毎日新聞(幹事社)
大臣次の日程がございますのであと1問でお願いいたします。

共通テストの特例追試がセンター試験形式なのは受験生を不安にさせないか
The InterSchool Journal
はい、すみません。インタースクールジャーナルの平松です。特例追試について伺いたいんですけれども、生徒のほうでは共通テストに向けて対策をしてきたというところだと思うんですが、第2日程受けられなかったときに、センター時代の問題を受けないといけないということになってくると、形式が違う部分あると思うので受験生不安にさせてしまうのではないかというふうに思うですけど、そこのところ大臣、どのように思われるかということ。
そしてですね、この状況下で第2日程の意向調査をやるというのは現場にさらに負担をかけてしまうのではないかと思うんですが、そこのところどのように思われますでしょうか。

萩生田光一文科相
後段からご説明しますと、初めて日程を2つに分けて、現役高校生はどちらを選んでもいいですよと、学習の遅れがあれば第2日程を選択することも可能ですよということにさせていただきました。従来その第2日程といわれるものが追試験だったわけで、これは全国2か所しか会場を用意してませんでした。だけどこういう形であらかじめ第2日程を選べるということになれば、最低でも47都道府県で会場設定をしなきゃいけませんし、受験生の数によってはさらに受験会場を増やしてく準備があるので、そういう意味では意向調査をしてどうしますかということを今月から学校現場に聞いてみたいと思います。それは逆に試験当日の混乱を避けるためにですね、予め意向を聞かせていただいて、それにあわせて我々も会場等の物理的な準備をするための調査であって、学校現場に教育委員会を通じて各3年生にどうしますかって聞いて、どちらかを選んでもらえれば良いだけなんで、そこはそんなにその負担をかける調査ではないんじゃないかなというふうに思っています。空いた時間で速やかに聞いていただいて取りまとめていただいて報告していただければ良いんじゃないかと思ってます。

追試験についてはさっき申し上げたようにもともと新しい指導要領になった後のいつでも使えるように緊急事態用にセンターとして作っていたものでございまして、予め用意した問題に、それをベースにですね、今回センターの皆さんの知見を加えたもので作っていただくということでお聞きをしております。確かにですね、そらセンター時代のものじゃないかっていうんですけど、一番大事なのはセンターか共通テストかっていうテストの名前よりも、指導要領が、これが違ったらやっぱり物凄く不安になると思うんですけど、少なくとも今の高校3年生たちが今まで学んできたものの範囲の中でしっかり出題をしますから、そこはしっかり準備をしていただいて頑張っていただきたいなと思います。そのことで不利益を被るようなことがない、ちゃんと制度設計にはなってると、そう承知しています。

The InterSchool Journal
ありがとうございました。

萩生田光一文科相
はい。

毎日新聞(幹事社)
では会見これで終了いたします。ありがとうございます。


(終)

2020年7月5日最終更新