平松けんじ

 萩生田光一文部科学大臣は、2日の記者会見で修学旅行の実施を再び求めるとともに、文科省として各教育委員会に修学旅行の実施を求める事務連絡を出したことを明らかにした。


 文部科学省は2日付の事務連絡で「当面の対応として修学旅行等の実施を取りやめる場合も、中止ではなく延期扱いとしたり、既に取り止めた場合においても、改めて実施することを検討したりする」配慮を求めている。また、事務連絡では年度末の3月末までの実施の検討も併せて求めている。

文科省は以前から修学旅行の実施を求めている
 この文科省の方針に教員などからは「修学旅行には事前学習・事後学習など多大な準備時間がかかる。いきなり言われても困る。」「大臣は現場のことがわかっていない」といった批判の声も上がっている。しかし文科省はこれまでも繰り返し修学旅行の実施を求める方針を示している。今年3月の参院文教委員会で亀岡文科副大臣(当時)が修学旅行の中止ではなく感染終息後の実施を求めている。また、萩生田文科相は、6月16日の会見で本紙記者の質問に対し、「3月31日出発でも良いから、そういう機会(=修学旅行)をあらかじめやめるってことじゃなくて、何とかできないかってことを学校現場に努力をしていただきたい」と述べている。

会見する萩生田文科相(6月16日 文科省Youtubeチャンネル)
文科省の発信力が弱かったのか、教委の腰が重すぎたのか
 コロナ禍の中、中高生などからは「行事がすべて中止になった上、詰め込み教育で精神的に疲弊している」などの声が寄せられている。萩生田文科相も「学校の学びというのは、机の上の授業だけじゃなくて、集団で行う学校行事ですとか修学旅行ですとか体育祭ですとか、こういったものも大事」「修学旅行というのは、やっぱり一生の思い出になる極めて大事な集団学習の機会」(6月16日会見で)と指摘している。

 文科省がこれまで繰り返し修学旅行の実施を促してきたにもかかわらず、それがあまり知られていない気がしてならない。文科省の発信力やメディアの取り上げ方に問題があったのではないか。文科省は今年度冒頭にでも通知を出すべきであったし、メディアももっと生徒の声を第一に取り上げるべきではなかったか。そして教育委員会もできない理由を並べてさっさと中止を決めるのではなく、生徒の意見や保健部局の意見も踏まえつつ、もっと努力すべきではなかったか。今から修学旅行の実施をゼロベースで検討することは難しいだろうが、せめて卒業旅行に類する行事など子どもたちが思い出にできるような配慮を強く求めたい。

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