平松けんじ


 千葉県弁護士会が、昨年3月7日に千葉県立の高校で教師が生徒の髪をスプレーで黒染めしたことに関し、県教委と県立高校に「体罰に準ずる」「自己決定権や表現の自由の侵害」と警告したことがわかった。警告書は9月25日付。


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 生徒は白髪染めを除き、髪を染めておらず、校則違反をしていなかったにもかかわらず、卒業式前日に教師から髪を切るか、黒く染めるかの二者択一を迫られたという。そして2019年3月7日の卒業式当日、教師による頭髪検査で黒染めスプレーをかけられた。


 同校では「パーマ禁止」「手を加えた髪型禁止」「着色、脱色、カール、流行を追う髪型の禁止」などの校則が「入学のしおり」や「生徒手帳」で明文化されていて、毎月、頭髪検査を行っているという。頭髪検査では生徒の髪とか見色見本を照合し、該当した髪色見本の番号を記録しているそうだ。


 弁護士会の調査に対し、同校や教諭は「生徒が地毛だと主張して黒染めスプレーをかけられたくない様子であったのは認識していたが、生徒の毛先に黒染めスプレーをかけた」と回答しているが、県教委は「黒染めスプレーをかけられる生徒が同意していない場合には指導を行うことは無理」と主張している。

 弁護士会は今回の黒染め指導について「体罰に準じるものであり学校教育法上許されない」「生徒の自己決定権(憲法第13条)や表現の自由(憲法21条)を侵害した」と結論付け、県立高校と県教委に対し、「指導を行う必要性、指導方法の適否、指導に至る経過や教諭と生徒との関係等を十分に考慮し、懲戒権(学校教育法11条)の行使として相当性を欠くことや生徒の自己決定権や表現の自由を侵害することの内容、教諭を指導監督しなければならない」と警告した。


 県教委児童生徒課の伊澤浩二主幹兼生徒指導・いじめ対策室長は、20日、本紙の取材に応じ、「学校から話を聞く中では生徒の同意があったと捉えている」と述べた上で「人権に配慮した指導を行っていたんだろうと捉えている」とコメント。今後も県教委としては「黒染め指導中止を求める指示をすることは考えていない」という。


 頭髪を校則で規制することによる教育的効果について、伊澤氏は「落ち着いて学習環境を整えていくこと」と述べたが、その具体的な例は示さなかった。本紙記者が追及したところ、「校則は学校が総合的見地から定めている」と回答するにとどめた。具体的な教育的効果を示すことができないのに、生徒の髪型・髪色を規制することは果たして適法・適切な指導と言えるのだろうか。甚だ疑問だ。

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