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埼玉県庁(2021年9月27日、日本自治委員会提供)
 埼玉県立春日部高校生徒会が文化祭の一般公開を求め、埼玉県教育委員会に対し署名を提出した。
 生徒たちは「このままでは平成16年度生まれである現高校3年生は、一度も(文化祭の)一般公開を行うことがなく高校生活を終えることになってしまいます」と指摘し、「埼玉県の高校生たちが少しでも『青春』を取り戻すために、私たちは人数制限をはじめとした感染防止対策を徹底したうえで一般開催を行いたい」と訴えた。
 インターネット署名サイト「Change.org」で集められた署名は1万7000筆にのぼり、複数の県立高校生徒会も署名に賛同した。

 県教育委員会は、4月27日に文化祭の一般公開をしないことを決めていたが、5月25日付でガイドラインを改訂し、文化祭の一般公開を認めることを決めた。県教育局高校教育指導課の渡部剛主任指導主事は、5月25日、ISJの取材に対し「県の専門家会議で専門家に話を伺ったところ、感染対策をきちんとできれば一般公開できるんじゃないかというふうなご意見をいただいて、ガイドラインを改訂することになった」と述べた。渡部氏は、「高校入学段階の時に中学校の卒業式もなかなか十分にできなかったという学年ですので、これまで2年間十分な教育活動が全くできていないというふうなところで、気持ちはすごくよくわかる」と高校生らに寄り添う姿勢を示した。一方で、県教委は今後感染状況が再び悪化に転じた場合、専門家会議の意見を踏まえ、状況に応じてガイドラインを改訂する余地は残している。

 春日部高校生徒会は署名サイトの中で「私たちの想いはしっかりと聞き届けられ、(中略)数多くの県立高校の文化祭が一般公開に向けて動き出しました。文化祭がとても楽しみです。」と喜びの声明を公表した。高校生の行動が行政を動かした瞬間だった。春日部高校生徒会をはじめ、署名活動に立ち上がった高校生の皆さんに心から敬意を表したい。

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