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写真・東京都立上野高校(日本自治委員会情報局提供)
 東京都立上野高校の前の公道上で、8日朝、登校中の都立学校生徒に対して宣伝活動を行っていた日本自治委員会メンバーに対し、同校の澁谷徹副校長ら教職員が取り囲み、「教育上良くないから」「学校を批判しているようで良くない」などの理由で、宣伝活動をやめるよう求めたという。その上、澁谷副校長らは、日本自治委員会のメンバーに対し、表現活動の目的を追及し、警察に通報するという行為を行ったという。




 日本自治委員会によると、同校の澁谷徹副校長や布施典子主幹教諭は公道上の表現活動を制止する法的根拠を一切答えなかったという。また、上野高校の通報を受け、臨場した警察官は、日本自治委員会の宣伝活動が表現の自由の範囲内の正当な活動であることを認め、日本自治委員会メンバーに事情を聴いた上で、現場から立ち去った。

 その後、平松けんじ・日本自治委員会議長が澁谷徹副校長に電話で抗議した。上野高校側は生徒の登校を正門ではなく通用門から行うよう指導したり、通学路を監視するなどの行動を行っていたという。

澁谷副校長「表現の自由知っていた」
 日本自治委員会によると、平松議長より電話で抗議を受けた澁谷徹副校長は、平松議長に対し、日本自治委員会の宣伝活動について表現の自由の範疇であることを知りながら警察に通報したことを認めたという。これについて日本自治委員会の平松けんじ議長は「表現の自由を弾圧するために警察権力を用いようとした行為は非常に不当な、憲法違反も甚だしい行い」と厳しく糾弾している。

平松氏「とうきょうトリエンナーレ」開幕を宣言
 今回の事案を受け、日本自治委員会は当面の方針を変更し、3日連続で都立上野高校前でのチラシ配布活動を継続する方針を固めた。また、日本自治委員会は、今回の上野高校が行った行為を「表現の自由への弾圧」として、同校と東京都教育委員会に対し、抗議文を提出する構えだ。このほか、日本自治委員会は、既に都議会議員と接触し、情報を提供している。

 平松議長は10日朝、ツイッター上で「さあ、とうきょうトリエンナーレの開幕です。」と皮肉めいた宣言を行い、引き続きチラシ配布活動を都立学校で展開していく方針を示唆した。

都民の正当な表現活動を弾圧する上野高校の対応は許されない
 今回、都立上野高校が行った行為は、公道上という公共空間において憲法上認められている都民の自由な表現活動に対する言論弾圧だ。表現活動が表現の自由にあたることについて知りながら、法的根拠も説明せず、学校の管理責任の及ばない公道上での表現活動を公務員が弾圧することは、憲法99条の憲法擁護義務に反する重大な非違行為ではないか。東京都教育委員会は、このように人権に対する認識、リーガルマインドを全く持たないような者を公務員として任用していることを恥じ、校長の責任を問うべきだろう。

(編集局記者)
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