平松けんじ

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資料写真・文部科学省(平松けんじ撮影)

 文部科学省は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、出向などで従業員の雇用を維持したい企業と、企業人材受け入れを希望する教育委員会や学校をマッチングする事業「学校雇用シェアリンク」を1月から始める。


 文科省は、ホームページ上に、教育委員会や学校側が求人情報を登録するフォームと求人情報が欲しい企業が企業名を登録するフォームをそれぞれ設置。文科省が教育委員会や学校から寄せられた求人情報を企業に提供していく。その後、教委・学校担当者と企業側担当者の間で勤務条件や資格要件などについて調整していく。


 文科省では正規の教員に限らず、学習指導員、スクールサポートスタッフ、英語科のアシスタントやビジネス関連授業の講師など多様な需要を想定していて、教員免許状の有無で求人情報の登録に制限を設けない。


 萩生田光一文科相は、12月25日の会見で「(民間企業の従業員が)学校現場でご活躍いただくことが雇用維持の選択肢の1つになればという思いもありますが、学校側にとっても、企業の知見を学校教育に活かす非常に有益な機会になると考えている」と述べ、企業や学校に積極的な利用を呼び掛けた。


埼玉県では民間出身の英語教員採用へ 特別免許状授与も

 これに先立ち、埼玉県教育委員会は、2021年度に民間企業・団体出身者を対象とした県立高校英語教員採用試験を行うことを発表した。教員免許の有無にかかわらず、日本語と英語の面接と論文試験で採用する。県教委は教員免許を持っていない合格者には特別免許状を授与する。出願締め切りは1月12日(消印有効)。採用試験は1月31日実施。


 県教委教職員採用課の白澤祥己管理主事は、特別選考試験の狙いについて、「グローバルに活躍している企業や業種の方に特にコロナの影響が出ているところかなと報道などで承知している。そういった(企業、業種の)方が生きた英語を使っている方を採用したいというこちらのニーズとマッチするんじゃないか。」と述べた。


 新型コロナウイルス感染症の感染拡大で民間企業の従業員の解雇が相次いでいる。航空業界を中心に従業員の雇用維持のために別の企業に出向させる取り組みが始まっている。公的な機関がコロナ不況で発生した余剰人員を受け入れるという策は良い取り組みだ。

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