福島啓介


 沖縄県立の高校で運動部のキャプテンだった2年生の男子生徒が今年1月29日、自殺した。男子生徒は、顧問教諭から日常的に「キャプテン辞めろ」「なんで(チームを)まとめない」などと叱責を繰り返し受けていた。


 県教委は文科省の調査指針に基づき、学校が男子生徒の遺族、クラスメイト、部員、関係する教員に聞き取りやアンケート調査を実施。調査結果からは男子生徒が顧問教諭との関係で悩んでいた様子が見られたという。また、「学校が行った基本調査や遺族への聞き取りから顧問教諭の激しい叱責があったとの情報があった」(県教育庁県立学校教育課・屋良淳副参事)という。県教委は、第三者による「詳細調査」への移行を決定じ、弁護士2名と公認心理士2名の4名が経緯や因果関係を調べている。


顧問教諭「指導が間違っていた」

 顧問教諭は、県教委の調査に対し、「勝たせたかった。頑張ってほしいという意味で言葉が荒いこともあった」と話しているという。


 男子生徒が自殺した後、2月6日に校長と顧問教諭が遺族宅を訪問。顧問教諭は「指導に関しては行き過ぎで悪いところがあった」「指導が間違っていた」と謝罪したというが、失った命は戻らない。「間違っていた、ごめんなさい」では済まない。顧問教諭の「叱責」が男子生徒の自死につながったのだとしたら、それはもはや「叱責」の域を超えたパワーハラスメントでしかない。このような粗暴な輩が教育現場に跋扈していることは極めて遺憾だ。

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