秀岳館高等学校(熊本県)の男子サッカー部で、30代男性コーチが部員に殴る蹴るの暴行を加え、その様子をSNS上に投稿した別の部員2名を段原一詞監督(英語科、校長補佐兼務)が恫喝していたことが明らかとなった。
秀岳館高校では、30代男性コーチが、とある部員から「鍵を開けろ」などと言われたことに逆上し、同部員に殴る蹴るの暴行を加える事件が起こった。この様子を収めた映像が別の部員らによってTikTokに投稿されたことでネット上で炎上し、大きな騒ぎとなった。
生徒が釈明動画投稿も、監督が裏で恫喝
事態はこれだけにとどまらなかった。警察官が学校を訪問した翌日、部員らが管理している同部のSNSアカウントに、部員11名がコーチによる暴行について釈明する動画を投稿した。動画内では、部員らがマスクを外した上で名前を明かしており、「感情的になり校長を馬鹿にする発言をしたのが今回の原因」「暴力が日常茶飯事というのは違う」などと述べ、部を擁護していた。
この釈明動画の投稿の裏で、段原監督が部員らを恫喝していたことが、後に流出した音声で明らかになった。25日にTwitter上に投稿された音声の中で、段原監督は、映像を撮影・投稿した部員らに対し、寮内の朝点呼中に「完全な被害者は多分俺だけだよ?」「◯◯(撮影者)と△△(投稿者)は加害者だ、俺たちに対する」「俺がお前訴えたらどうする?」などと語気を強めて恫喝していた様子が克明に記録されていた。
撮影者と投稿者は問題の釈明動画にも出演しており、同動画内で「監督に相談することを考えていましたが、感情的になりSNSに投稿してしまいました。それにより事実と異なることがマスコミによって報道されてしまいました」などと話し、暴行映像を投稿したことを謝罪している。
釈明動画は本当に部員の自主的な意思で撮影・投稿されたのか。5月5日に学校が開いた記者会見の中で、段原監督が具体的な釈明動画の内容にまで指導を行う関与をしていたことが明らかになった。
白井勇教頭によると、釈明動画をSNSに上げることは、21日夜に部員4名と監督の間で行われた話し合いの中で挙がった話だという。さらに翌日朝には段原監督が部員らに「動画をアップするのに協力してくれ」と頼んだという。その後も段原監督は、釈明動画の内容に関し、「こういうポイントで取りなさい」「11名みんなで撮りなさい」「悪いことをしてるんじゃないから、マスクも外して名前も言った方がいい」と具体的に指導していたという。最終的に、部員らは段原監督に許可をとり、釈明動画をTwitter、Instagram、TikTokに投稿したとのことだ。
監督、テレビ出演も被害部員への謝罪なし 映像投稿の部員らに恫喝も
事件を受け、25日、段原監督は来京してワイドショー「スッキリ!!」(日本テレビ)に出演し、「多くの皆様にご迷惑をおかけしていること、そして世の中をお騒がせしていること、そして、暴力は根絶されるべきものであって、あってはならない」「心よりお詫びを申し上げます」と述べたが、暴行を受けた部員やその他の部員に対する直接の言及や謝罪はなかった。
会見の中で釈明動画の投稿に伴うリスクや部員に対する恫喝について問われた段原監督は、開き直るような不遜な態度で「申し訳ありませんでした」としか答えるばかりだった。
段原監督は退職、コーチは解雇
4月20日、学校側がこの事実を確認。翌21日には、熊本県警八代警察署の警察官4名が学校を訪問し、暴行を行ったコーチが書類送検された。
生徒が釈明動画投稿も、監督が裏で恫喝
事態はこれだけにとどまらなかった。警察官が学校を訪問した翌日、部員らが管理している同部のSNSアカウントに、部員11名がコーチによる暴行について釈明する動画を投稿した。動画内では、部員らがマスクを外した上で名前を明かしており、「感情的になり校長を馬鹿にする発言をしたのが今回の原因」「暴力が日常茶飯事というのは違う」などと述べ、部を擁護していた。
この釈明動画の投稿の裏で、段原監督が部員らを恫喝していたことが、後に流出した音声で明らかになった。25日にTwitter上に投稿された音声の中で、段原監督は、映像を撮影・投稿した部員らに対し、寮内の朝点呼中に「完全な被害者は多分俺だけだよ?」「◯◯(撮影者)と△△(投稿者)は加害者だ、俺たちに対する」「俺がお前訴えたらどうする?」などと語気を強めて恫喝していた様子が克明に記録されていた。
撮影者と投稿者は問題の釈明動画にも出演しており、同動画内で「監督に相談することを考えていましたが、感情的になりSNSに投稿してしまいました。それにより事実と異なることがマスコミによって報道されてしまいました」などと話し、暴行映像を投稿したことを謝罪している。
釈明動画は本当に部員の自主的な意思で撮影・投稿されたのか。5月5日に学校が開いた記者会見の中で、段原監督が具体的な釈明動画の内容にまで指導を行う関与をしていたことが明らかになった。
白井勇教頭によると、釈明動画をSNSに上げることは、21日夜に部員4名と監督の間で行われた話し合いの中で挙がった話だという。さらに翌日朝には段原監督が部員らに「動画をアップするのに協力してくれ」と頼んだという。その後も段原監督は、釈明動画の内容に関し、「こういうポイントで取りなさい」「11名みんなで撮りなさい」「悪いことをしてるんじゃないから、マスクも外して名前も言った方がいい」と具体的に指導していたという。最終的に、部員らは段原監督に許可をとり、釈明動画をTwitter、Instagram、TikTokに投稿したとのことだ。
釈明動画の投稿に関して、中川靜也校長兼理事長、渡部久義・白井勇教頭らは一切把握していなかったようだ。白井勇教頭によると、釈明動画がインターネット上で拡散されていることを知った教頭と校長は「びっくりした」ようで、中川校長は把握後「俺は悲しい」「なんで生徒たちが名前を言っている、顔を出している」などと述べ、すぐに段原監督に削除を依頼したという。
監督、テレビ出演も被害部員への謝罪なし 映像投稿の部員らに恫喝も
事件を受け、25日、段原監督は来京してワイドショー「スッキリ!!」(日本テレビ)に出演し、「多くの皆様にご迷惑をおかけしていること、そして世の中をお騒がせしていること、そして、暴力は根絶されるべきものであって、あってはならない」「心よりお詫びを申し上げます」と述べたが、暴行を受けた部員やその他の部員に対する直接の言及や謝罪はなかった。
会見の中で釈明動画の投稿に伴うリスクや部員に対する恫喝について問われた段原監督は、開き直るような不遜な態度で「申し訳ありませんでした」としか答えるばかりだった。
段原監督は退職、コーチは解雇
コーチが部員を一方的に暴行し、あげく監督が部員の生徒たちに顔出し実名で火消しに走らせるーこれが「教育者」の姿なのか。あまりにも醜悪だ。現地紙「熊本日日新聞」によると、段原氏は退職届を提出し、秀岳館高校を退職。あわせて暴力行為を行ったコーチは懲戒免職となった。
全国で勝利至上主義に陥った部活動での指導者からの暴力行為が相次いでいる。こうした閉鎖的で暴力的な「体育会系」部活を放置してよいのだろうか。生徒への暴力は学校教育法11条で禁止されている。また、刑法上の犯罪だ。学校を「治外法権」にしてはならない。犯罪教師には断固たる処分が必要だ。
全国で勝利至上主義に陥った部活動での指導者からの暴力行為が相次いでいる。こうした閉鎖的で暴力的な「体育会系」部活を放置してよいのだろうか。生徒への暴力は学校教育法11条で禁止されている。また、刑法上の犯罪だ。学校を「治外法権」にしてはならない。犯罪教師には断固たる処分が必要だ。
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