千葉県の市川市教育委員会は、教職員の働き方改革の一環として1日の授業時間を減らし、代わりに夏休みを約10日程度短縮する計画を検討している。しかし教職員やPTA会長らから反対意見が上がったこともあり、市教委は来年4月からの導入を見送った。
計画案は、各学年で週2時間の授業を削減し、児童生徒の在校時間を短縮。その代わり夏休みを短縮し、2学期の開始日を8月21日頃に前倒しするもの。
市教委は、今年度4月の市川市内の教職員152人の残業時間が「過労死ライン」の80時間を超える状況だとして、今年4月に検討を開始。子どもたちにとってのメリットとして、▽児童生徒の1日の学校生活における負担軽減、▽放課後活動の充実、▽家族や地域と触れ合う時間の確保、▽不登校解消への期待などのメリットを主張している。
しかし市立学校教諭の吉井広人さんは、「教室はコロナ対策で常に窓を開けて換気しているので、気温が28℃を超える。学校環境衛生基準に違反している。」と指摘する。さらに、吉井さんによると、「エアコンがない給食調理室の気温は40℃・湿度50%になる。食中毒の危険がある。」という。
市教委の池田課長も「(1日当たりの授業時間削減で)子どもたちの放課後にゆとりができる」と述べる一方で、「エアコン全然効かないですからね」と吉井さんの指摘を認める。
市内の小学校のPTA会長を務める女性は、夏休み短縮で「子どもたちが悲しむだろう」と述べたうえで、夏休み中に多く行われる中3生の高校見学に参加できなくなる懸念を示していた。
水面下で検討進める市教委
今回の計画案について、教職員への説明は今年7月11日まで全く行われず、教職員は皆「寝耳に水」だった。さらに市教委は、8月4日、市内小中学校のPTA会長を集め、計画案について意見を聴取。しかし市教委は会長らに「出席した会長どまりで(情報を)止めてほしい」と他の保護者や児童生徒に口外しないよう求めた。市教委の対応に、PTA会長の女性は、「どこまで情報を出していいのか私たちもわからない。自分の子にも伝えていない。」と困惑していた。
市教委の池田課長は、「箝口令とは違う。まだ案の段階だったので、PTAの会長にご相談し、意見を聞いた。」と説明したうえで、情報の拡散で保護者の不安が広がる懸念があったことを明かした。
水面下で検討進める市教委
今回の計画案について、教職員への説明は今年7月11日まで全く行われず、教職員は皆「寝耳に水」だった。さらに市教委は、8月4日、市内小中学校のPTA会長を集め、計画案について意見を聴取。しかし市教委は会長らに「出席した会長どまりで(情報を)止めてほしい」と他の保護者や児童生徒に口外しないよう求めた。市教委の対応に、PTA会長の女性は、「どこまで情報を出していいのか私たちもわからない。自分の子にも伝えていない。」と困惑していた。
市教委の池田課長は、「箝口令とは違う。まだ案の段階だったので、PTAの会長にご相談し、意見を聞いた。」と説明したうえで、情報の拡散で保護者の不安が広がる懸念があったことを明かした。
当事者の子どもの声はどこへ
今回の計画案をめぐる議論では、当事者の子どもたちの意見が聞かれていない。子どもたちには意見を表明する権利があり、彼らの意見表明の機会を奪うことは許されない。まずは子どもたちの意見を全市的に聞いていくことが必要だ。
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