野洲市の市立小学校で50代の男性教諭が、担任する児童に対していじめ行為を行ったことが、9月30日、わかった。

発表によると、教諭は、担任している2年生の児童が授業中に「○○ってどういう意味?」と繰り返し尋ねてくることに苛立ちを感じ、「○○君は本当に言葉を知らんな」と週2、3回の頻度で発言。さらに7月上旬から数回にわたりほかの児童に被害児童を無視するよう呼びかけた。また、教諭は、保護者に対して、医学的根拠がないのに、被害児童を「ADHDなので、早急に発達検査を受けるべき」と発言した。

野洲市教育委員会によると、教諭の発言を受け、他の児童が「無視しよう」「ことばを知らないくせに」などと発言するようになり、いじめにつながったという。

野洲市教委の西村健教育長は、9月30日、コメントを発表し、「当事者のお子さんはもとより、その保護者の方、また、クラスの子どもたちに大変なことをしてしまいました」と陳謝した。

西村教育長は、コメントの中で「どれだけ忙しくとも、教員としての倫理観、当然持ち合わせておくべき人権感覚から外れた言動は、許されるべきものではない」と教諭を非難したうえで、市内すべての学校に再発防止策として、▽校長・教頭による教員への服務指導の徹底、▽教員の言動が児童生徒に及ぼす影響、人権感覚の向上、児童生徒理解、特別支援教育に関する研修の実施、▽複数人の教員による教室見守りの3点を指示したことを明らかにした。

教諭は、2学期から担任を交代させられ、現在病気休職中。市教委は、教員の人事権を持つ滋賀県教育委員会に事態を報告した。

この小学校では2月にも臨時講師が児童をアニメのキャラクターに例え、いじめにつながったとして、担任を交代させた事案があったばかり。この事案をめぐっては、市教委が県教委や栢木進市長に報告していなかったことが発覚。市教委幹部は「認識が甘かったと反省している。本来は、県教委や市長に報告すべき事案だったができていなかった。(加害教員が)臨時講師であり、3月末に任期が満了することから処分のことまで考えが及ばなかった」と述べた。

こうした経緯が明らかになっているものの、栢木進・野洲市長は、3日の会見の中で「市教育委員会は、きちっと対応・対処していただいているものと思っている」と述べ、市教委を擁護し続けた。

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