先月、埼玉県東部の県立高校で防寒具を着用した生徒が執拗に「指導」される事案があったことが10日、発覚した。

生徒は、防寒対策のため、ブランケットやダウンパンツを着用していたが、教師から校則違反を理由に執拗に「指導」を受けた。一部の「指導」は2時間を超える長時間にわたって行われ、解放を求めてもなかなか解放されない事態にまで発展した。

学校側は「常識を受け入れないことで、今回のように嫌な思いをすることがあるのではないか」「理解するまでお話したい」「お母さんが言ってくれれば本人は直ると思った」などと述べ、あくまで学校の考え方を強要する姿勢に終始。

生徒が繰り返される「指導」に精神的な苦痛を感じていたことから、関係者が市民団体「日本自治委員会」に相談し、同委員会が対応に乗り出す事態となった。同委員会は、先月23日付で県教育委員会と同校に対し文書を送り、学校の指導を「人権侵害」「教育テロ」などと批判した。

学校側は同委員会の動きを受け、対応を検討。先月28日、保護者との面談の席で生徒の主張を受け入れた。県教委も先月31日、県立学校長らに県教委の通知を再確認をさせ、再発防止対策を強化。校則の点検・見直しと適切な運用を学校現場に継続的に指導する考えを示した。

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