2021年、北海道旭川市でいじめを受けていた中学2年生の女子生徒が自殺し遺体で発見された問題で、市長直属の再調査委員会は6月30日、いじめと自殺の因果関係を認めた。
いじめと自殺の因果関係を認める
再調査委は、学校内外での性的ないじめも含む7件の行為をいじめと認定。そのうえで「いじめ被害が当該生徒の主たる原因であった可能性は高く、いじめ被害が存在しなければ当該生徒の自殺は起こらなかった」と結論づけた。

学校・市教委の違法な対応 いじめ対策組織機能せず
また、再調査委は、学校がいじめを児童生徒同士の問題行動と矮小化し、被害生徒の苦痛を踏まえたいじめ認知・対処を怠ったと指摘。さらに、各学校のいじめ防止対策組織がほぼ運用されず、市教委も被害生徒の精神科病院への入院を生徒自身の問題に「責任転嫁」し、北海道教委の助言も無視して問題を放置したことが明らかになった。再調査委はこうした学校・市教委の対応を「(いじめ防止対策推進)法に則った対応がなされなかった」と指摘した。

一方で再調査委は、「学校・市教委の対応次第で自殺リスクを発見し、減らす要因にはなったとしつつも、完全に果たすものではなかった」とも指摘し、学校・市教委の対応次第で完全に女子生徒の自殺を防ぐことまではできなかったとの見解を示した。
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