港区は2024年11月、すべての区立小学校において、令和7年入学予定の児童を対象にプレクラス制度の導入を決定した。
プレクラスとは、入学式後から4月末までは正式な学級とせず、仮の学級を編成し、その後正式なクラスを編成する制度。
仮の学級では児童の性別、地域、卒業した幼稚園や保育園からの情報をもとに編成され、教員はそれぞれの学級を巡回し、児童の把握、関係構築、課題の確認を行う。その上で4月末時点で集まった情報をもとに正式な学級を編成することとなる。
この制度が導入されたのは、児童の出身の多様化・国際化にともない、出身が保育園や幼稚園に限らず、インターナショナルスクールや海外からの帰国などのケースも増えたことや、教員不足により経験の浅い教員が1年生の学級担任となることが増加したことなどが背景にある。プレクラス制度により、既知の情報や出身幼稚園や保育園から情報のみならず、総合的に判断することが可能になり、児童の実態に応じた学級編成が可能になる。また、教員が複数の学級を巡回することで児童の発達段階や特性を把握することもでき、学年単位のきめ細やかな指導も可能になる。これにより、安定した学年・学級の運営が可能となる。
都内で初となるプレクラス制度の導入となり、これから小学校に進学する子どもたちをより深く把握できることにより、より安定した教育を提供できることが先進的と言えるだろう。
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