任期満了に伴う東京都議会議員選挙は22日夜、投開票され、大勢が判明した。小池百合子都知事が特別顧問を務める都民ファーストの会が31議席を獲得し、第1党を奪還。自民は21議席にとどまり、過去最少の21議席となり歴史的惨敗を喫した。一方で小池知事を支える都民・自民・公明の知事与党3党で過半数の71議席を確保し、引き続き安定的な都政運営を行える見通し。
野党側では立民が議席を積み増し野党第一党になった一方、共産は現有19議席から14議席に後退。新興勢力の国民民主・参政がそれぞれ複数議席を獲得したが、都知事選2位の石丸伸二氏率いる再生の道は議席を獲得できなかった。れいわ・保守党・社民党は議席を獲得できなかった。
獲得議席は次の通り。▽都民31▽自民21▽公明19▽立民17▽共産14▽国民9▽参政3▽ネット1▽無所属・他12
都民 第1党奪還も一部選挙区取りこぼす
小池知事が特別顧問を務める地域政党・都民ファーストの会は31議席を獲得し、第1党を奪還した。小池都政の施策が広く都民に浸透し、女性中心に支持を得た。一方、千代田区や練馬区では現職が落選。また新人候補の落選も散見され、取りこぼしがやや目立つ。
自民 大惨敗 過去最低の21議席
自民は2017年の小池旋風で記録した過去最低の23議席を下回る21議席と惨敗。政治資金不記載問題で非公認となった2氏に加え、地元支部との対立から無所属で出馬した青木英太氏=目黒区・現=を選挙後に追加公認し、なんとか第二会派を死守した。
公明 全員当選ならず 36年ぶり 大田・新宿で落選公明は、大田区と新宿区で現職3人が議席を失い、36年ぶりに擁立候補全員当選の記録が途絶えた。今回の都議選では厳しい戦いが予想された目黒区選挙区で現職の斉藤泰宏都議を擁立せず、他選挙区での闘いに注力したが、大田区で2人が共倒れし、新宿区では立民に競り負けた。
立民 野党第1党に 議席伸ばす
立民は議席を伸ばし17議席を獲得して野党第1党に。八王子市では現職を公認せず、目黒区議・細貝悠氏を「刺客」として立て、細貝氏が当選(現職・須山氏は落選)。新宿区では公明現職に競り勝ち、議席を獲得した。立民都連の実力を見せつけた。
共産 党勢衰退で子ども政策への影響不可避都議会野党第一党として都政ににらみを利かせてきた共産党は5議席減らして14議席にとどまり、野党第一党の座を立民に明け渡した。党員・支持者の高齢化が進み、また党内でのハラスメント問題などで党勢が低迷した結果とみられる。都議会でブラック校則問題を提起した池川友一都議=町田市=が落選するなど子ども政策への影響は不可避だ。
国民 不倫報道も9議席獲得
国民民主党は不倫疑惑報道や山尾しおり元衆議院議員の擁立騒動で支持率が下がったものの、9議席を獲得。「手取りを増やす」ことを訴えて若者を中心に支持を広げて都議会に初めて議席を獲得した。
参政 3議席を獲得 堅実に党勢拡大
参政党は衆院選に続く躍進を見せ、世田谷区・大田区・練馬区で計3議席を獲得。一部ではかつて自民党安倍政権を支持していた層が自民から離反し、参政に流れたとの分析も。地元での活動量も豊富で2022年参院選以来、堅実に党勢を拡大している。
再生 議席獲得できず「石丸旋風」賞味期限切れか
昨年の都知事選で2位となった前安芸高田市長・石丸伸二氏率いる再生の道は、一定の票数を得たものの議席を獲得できなかった。Youtubeなどを背景に無党派層の支持を集めていた石丸氏だが、賞味期限切れの様相を呈している。
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