今年3月16日、沖縄県辺野古沖で米軍基地移設反対運動の小型船が転覆し、研修旅行の一環で乗船していた同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒が死亡した。事故を受けて同校や設置者の学校法人同志社を調査していた文部科学省は5月22日、調査結果を公表した。

 文科省は、同校が事前の下見を怠り、当日も引率教員が同行しないなどの安全管理体制を「著しく不適切」と指摘し、米軍普天間基地移設工事に反対する抗議船に乗せるなどした教育内容は、政治的中立性を求める教育基本法第14条に違反していると認定した。現行の教育基本法が制定されて以降、文科省が政治的中立性を理由に同法違反を認定するのは初めて。
 文科省は、辺野古新基地建設に関する学習内容について、事前・事後を含めた一連のプログラムが違反にあたると判断した。同志社側は「対立する意見について両方の視点が提示できていなかったことに疑いを持たれてもやむを得ない活動となっていたことは、至らない点があった」と自らのミスを認めている。

中・共が批判 「現場を委縮させかねない」「行政による介入」
 文科省の調査結果公表に対し、一部野党からは「現場を委縮させかねない」(中道・小川淳也代表)、「教育内容に対する行政による介入」(共産・山添拓政策委員長)との批判の声が上がっている。これに対し松本洋平文科相は5月26日の会見で「萎縮効果は全くない。平和学習は学習指導要領に沿った形でしっかりと進めていただきたい」と強調。国会でも同様の答弁をした。

国交省は死亡船長を刑事告発 抗議団体は聴取拒否
 事故をめぐっては、抗議船を運航する団体・ヘリ基地反対協議会が無登録で運送行為を行っていたとして国土交通省が5月22日、海上保安部に抗議船「不屈」船長=死亡=を海上運送法違反の疑いで刑事告発した。文科省の調査で同校が抗議船の船員らに謝礼を支払い、生徒を乗船させていたこと、事故当日に波浪注意報が発表されている中、船を運航したこと、さらに事故時に船員が海保への緊急通報番号を知らず、生徒が自ら調べて通報する事態が発生するなど、杜撰な運航体制だったことが判明している。
 国交省は、無登録での運送行為が疑われる事例を通報できる窓口を地方運輸局などに設置し、再発防止を図る。
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